愛知県額田郡幸田町(ぬかたぐんこうたちょう)で自給自足生活を送りながら、“田舎暮らし”を発信しているYouTuberの高須亮佑さん(30)。YouTubeチャンネル「TAKASU TILE」は登録者数22万人超の人気を誇り、今年8月には書籍『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)を上梓するなど、注目が集まっている。
もともと消防士として働いていた高須さんは、自身の病気と家族の死をきっかけに、安定した職を捨ててYouTuberへと転身した。なぜ彼はYouTubeを始め、田舎暮らしを発信し始めたのか。いったいどんな生活を送っているのか。高須さんとパートナーの由貴奈さんに、話を聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)
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消防士を辞めて田舎暮らしを発信し始めた理由
――高須さんは現在、YouTubeチャンネル「TAKASU TILE」で田舎暮らしを発信しています。もともと消防士をしていた高須さんが、YouTuberに転身したきっかけを教えていただけますか。
高須亮佑さん(以下、高須) 自分が“がん”を患ったことや兄の死をきっかけに、「永遠はないんだから、やりたいことは今すぐやろう!」と思うようになり、思い浮かんだのが、療養中、精神的な支えになっていた趣味の動画制作でした。好きなことに熱中しているときは、将来の不安や恐怖を忘れられたんですよね。
また、生まれてからずっと自然に囲まれて暮らしてきたのに、その環境が当たり前すぎて長年「豊かさ」に気づけていませんでした。でも、病気になってそのありがたさが身に沁みて。
僕みたいに、自然の豊かさに癒やされたい人がいるかもしれない。「幸せは日常の中にあるんだよ」と伝えたい。そう思って立ち上げたのが、「TAKASU TILE」です。
――動画制作はいつから始めたのでしょうか?
高須 僕は、昔から思い出を記録に残すのが好きで、以前から何かあるたびに写真や動画を撮影していたんです。20歳くらいからはただ撮影するだけでなく、動画制作も始めました。ただ、あくまで趣味として。当時はこれが仕事になるとは全く思っていなかったです。
――では、しばらくは消防士をしながら動画制作をしていたのですね。
高須 はい。YouTubeで田舎暮らしを発信し始めたのは2020年。消防士を辞めたのが2021年なので、1年くらいは同時並行でやっていました。その間は、収益化はせずにやっていましたね。