愛知県額田郡幸田町(ぬかたぐんこうたちょう)で自給自足生活を送りながら、“田舎暮らし”を発信しているYouTuberの高須亮佑さん(30)。YouTubeチャンネル「TAKASU TILE」は登録者数22万人超の人気を誇り、今年8月には書籍『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方』(誠文堂新光社)を上梓するなど、注目が集まっている。
もともと消防士として働いていた高須さんは、自身の病気と家族の死をきっかけに、安定した職を捨ててYouTuberへと転身した。いったい、彼の過去に何があったのか——。高須さんとパートナーの由貴奈さんに、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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家の周りは畑に囲まれていて、森もあり、めちゃくちゃ田舎
――高須さんは、YouTubeチャンネル「TAKASU TILE」で愛知県・幸田町での田舎暮らしを発信しています。幸田町とは、どんな町なのでしょうか。
高須亮佑さん(以下、高須) 一言で表すとしたら、「何もないけど何でもある町」です。僕の家の周りは畑に囲まれていて、近くには森もあり、めちゃくちゃ田舎です。でも、町内には駅が3つもあって、名古屋には快速電車で約40分、豊橋には約20分で行ける、便利な場所でもあります。
――高須さんは、生まれてから30年間、ずっと幸田町に住んでいるそうですね。
高須 はい。小さい頃は、山で虫取りをしたり、落とし穴を作ったり。この町全体が、僕にとっての遊び場でした。また、近所の人は顔見知りばかりで、子どもの僕にもみんなが挨拶してくれました。そんな自然豊かで温かな幸田町が大好きで、物心ついた頃から「僕は一生ここにいるんだろうな」と思っていましたね。
高校卒業後、消防士として働き始めたきっかけ
――その考えの通り、高校卒業後は地元で消防士として働き始めます。消防士になったきっかけを教えてください。
高須 高校時代の先生の影響です。僕には5歳と3歳離れた兄がいて、ふたりとも高校卒業後は大学に進学しました。だから僕も「特にやりたいことはないけど、大学に行くんだろうな」と思っていたのですが、担任の先生からしつこく消防士を勧められて。当時は「なんでこんなに言ってくるんだろう」と疑問に思っていました。