毎月のように新たなグループが現れては熾烈な競争を繰り広げるK-POP界。今年3月にデビューしたばかりの“新人”にして世間の注目を集めているガールズグループが、ILLIT(アイリット)だ。日本人メンバー2名も擁するILLITは、韓国でどのような評価を集めているのか? ウェブ版『スポーツソウル日本版』を手掛けるピッチコミュニケーションズの姜記者が、現地の報道と独自取材をもとに読み解く。

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韓国エンタメの祭典「KCON JAPAN2024」のレッドカーペットに登場したILLIT。(左から)ミンジュ、イロハ、ウォンヒ、モカ、ユナ ©時事通信社

 日本人のモカ(20)とイロハ(16)、韓国人のユナ(20)、ミンジュ(20)、ウォンヒ(17)で構成された5人組ガールズグループのILLITは、昨年6~9月にABEMAでも配信されたサバイバルオーディション番組『R U Next?』を通じて誕生した。所属事務所はBTSらを擁する大手芸能事務所・HYBEの傘下レーベルであるBELIFT LABだ。

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“自主的で積極的な意志”を意味する「I WILL」、“特別な何か”を意味する代名詞「IT」を組み合わせたグループ名には、「何にでもなれる潜在力を持つグループ」という意味が込められている。

デビューして早々、「コピーしている」と批判が…

 しかし今年3月にデビューして早々、ILLITに逆風が吹いた。今年4月、5人組ガールズグループのNewJeansが所属するHYBE傘下レーベル・ADORの前代表ミン・ヒジン氏がHYBEから業務上背任の疑いで刑事告発された。すると、ADOR側がHYBEに対する反論の声明内で「ILLITは髪型、メイク、衣装、振り付け、写真、映像、イベント出演など、芸能活動のすべての領域でNewJeansをコピーしている」と批判。ILLITを「NewJeansの亜流」「ミン・ヒジン風」などと呼んだのだ。

4月25日に韓国の大手芸能事務所「HYBE」とのトラブルについて、緊急記者会見を開いたミン・ヒジン氏 ©AFLO
2022年にデビューしたNewJeans(NewJeansジャパンオフィシャルサイトより)

 この騒動もあり、一部では「NewJeansの二番煎じ」など否定的な意見を受けることになってしまったILLIT。果たして本当に彼女たちは“二番煎じ”で“亜流”とされるグループなのか? 現地での“リアルな評価”を探ってみたい。

“HYBEの末娘”とも呼ばれ注目されてきた

 ILLITは、宮脇咲良を擁する「LE SSERAFIM」、「NewJeans」に次いで3組目に輩出するガールズグループということもあり、“HYBEの末娘”とも呼ばれ注目されてきた。2月にはデビューの前にもかかわらずパリのファッションウィークに招待されるなど、海外でもその期待値が高まっていた。