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宮脇咲良に「プロではない」「レベルを下げている」と厳しい声も…なぜLE SSERAFIMは韓国でこれほど批判されているのか〈現地記者が解説〉

2024/04/25
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 米カリフォルニア州のコーチェラ・バレーで開催される「コーチェラ・ミュージックフェスティバル」は、その年の最もホットで影響力のあるアーティストが総出演する世界最大級の音楽フェスティバルだ。韓国では2019年にBLACKPINKがK-POPアーティストとして初めてコーチェラに出演し、世界的な人気獲得に至る大きなきっかけとなった。そのため、K-POPアーティストの間では“夢の舞台”と呼ばれている。

 今年はデビューから2年にも満たないLE SSERAFIM(ルセラフィム)が“夢の舞台”に招待され、「K-POPアーティストの中でデビュー後最短期間でコーチェラ出演を果たす」と話題を集めていた。ただ韓国では、彼女たちのパフォーマンス後、歌唱力に対する批判がふくらみ、「早すぎる出演が、実力不足を決定づけるダメ押しとなった」という厳しい評価も聞こえている。

LE SSERAFIM。(左から)キム・チェウォン、サクラ、カズハ、ホ・ユンジン、ホン・ウンチェ ©時事通信社

40分間のステージを海外メディアは称賛

 米現地時間で13日の夜、LE SSERAFIMはコーチェラのサブステージの中で最も規模が大きい「サハラステージ」で約40分間、K-POPガールズグループらしい情熱的なパフォーマンスを披露した。彼女たちのコンセプトでもある「毒気(トッキ)」(必死さや、渾身の力を尽くすというような意味)で充満したステージは観衆を魅了し、現場では「テチャン」(観客の合唱)が鳴り響くなど、アーティストと観客が一体となる盛り上がりを見せていた。

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 実際、現地取材をしていた海外メディアも賛辞を送っている。米国の音楽雑誌『Billboard』は、LE SSERAFIMのパフォーマンスを「コーチェラ2日目の中で最高の瞬間の一つ」に挙げ、「LE SSERAFIMは大規模な舞台で情熱的なパフォーマンスを披露し、10曲のセットリストの間、ずっと観客を沸かせていた」と現地の雰囲気を伝えた。

 イギリスの音楽専門誌の『New Musical Express』(NME)は「LE SSERAFIMは40分でサハラステージを自分たちのものにした」と絶賛した。他にも『MTV UK』は公式SNSアカウントに現場の写真を投稿し、「LE SSERAFIMは勝利に向かって一直線だ!」と評価した。

「LE SSERAFIMは勝利に向かって一直線だ!」と投稿した『MTV UK』のX

 ところが、韓国では彼女たちのパフォーマンスに対する非難があふれ出た。YouTubeで公演を見ていたK-POPファンが、LE SSERAFIMの歌唱力を問題視したためだ。

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