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ネット口座でも・・知らぬ間に1000万円を送金

その後、担当者は間髪を入れずに、「エラーがあり返金手続きができない」などと説明。女性は「ネット口座があれば、送金するので指示通りに操作して欲しい」と言われるままに、同じ手口で「返金コード」と称した「4900010」など7桁の数字を2回にわたり入力した。

認証コードではなく送金額だった 警視庁提供

これも数字は“送金金額”で、490万円のこと。2回合わせて980万円を送金させられたのだ。

もともとの「通販サイト」も詐欺グループが作った「偽物」なので、
1)「ニセ通販サイト」での商品代 1万5000円
2)「PayPay」での送金3回 およそ25万円
3)ネットバンキングでの送金2回分約980万円
の3回に分けて、あっという間に1000万円あまりを騙し取られていた。

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女性は「あくまで返金手続きで、指示通りに操作すれば戻ってくると思った」と話しているという。

「ターゲットは全世代」被害総額1億5000万円

都内では、同様の被害が去年40件ほどだったのが、今年は138件と急増。被害総額は1億5000万円と爆発的に増えている。被害者は10代~70代と幅広く、捜査幹部は「ターゲットは全世代。PayPayなど世の中に浸透してきたキャッシュレスアプリを利用した悪質な詐欺」と警鐘を鳴らしている。

キャッシュレス決済が全世代に普及し、詐欺のターゲットも全世代に イメージ映像

この幹部は「購入時は銀行振り込みなのに、返金は決済アプリのみということがおかしいポイント。まず詐欺を疑ってほしい」と話す。メッセージの日本語の文章が少しおかしかったり、電話先の担当者の日本語も片言だったケースもあるといい、警視庁は外国人詐欺グループによる犯行の可能性もあるとみて捜査を進めている。

【執筆:フジテレビ社会部警視庁担当 風巻隼郎】