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「1回は泣きましたけど、負けてたまるかって」――元SKE48メンバー矢方美紀、乳がんを語る #1

矢方美紀インタビュー #1

2018/06/12
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SKE48時代のメンバーから届いたメッセージ

──SKE48時代のメンバーも驚かれたのでは。

矢方 病気を公表した時にみんながSNSやLINEで連絡をくれたんですけど、すごい考えて送ってくれたんだろうなっていうのが伝わる文章で。後で聞いたら「健康な私がこんなこと言ったら、逆に失礼なのかもって考えた」と教えてくれて、「そういうことを考えてくれることがうれしいよ」って返しました。

 松井珠理奈ちゃんは「時間があったら会おう」と言ってくれて、名古屋コンサートの前日に一緒にご飯を食べに行きました。

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──公表前には、メンバーにも話していなかったんですか?

矢方 病気のことをちゃんと話した人はいなかったんですけど、公表前に私が投稿していたSNSを見て、「具合悪いんじゃない?」と察してLINEをくれたチームSのメンバーはいました。やっぱり、ずっと一緒に過ごしてきた仲間なので、「調子が悪そう」「何か悩んでいるんじゃないか」って分かったみたいです。

──気持ちが通じ合うグループだったんですね。

矢方 そうですね。「何て声をかけていいかわからなくて、連絡できなかった」と言ってくれる人もいたんですけど、そういう子の気持ちもすごくわかって、本当にみんなにありがとうって思いました。

もともと声優になりたくて芸能界に入った

──SKE48の卒業は、病気がきっかけですか? 

矢方 違います。私、もともと声優になりたくて芸能界に入ったので、そろそろ本格的に自分の夢に向かって進むために卒業しようと決めたんです。

 SKE48では、チームSのリーダーだったので、自分のことよりもまず周囲のことを考えないといけない立場でした。でも、初期からずっと一緒に頑張ってきたメンバーや仲のいい子たちが卒業するのを見てきて、私もそろそろ自分の夢を叶えるために進もうと思い、卒業を決めました。

 

──声優ですか。どなたか憧れの声優さんなどはいらっしゃるんですか。

矢方 小学生の頃、大好きだったアニメ『鋼の錬金術師』の主人公エドワードの声をしていた朴璐美(ぱく・ろみ)さんに憧れていました。エドの声が女性だと知った時に、「女性でも男性の役ができるんだ!」と衝撃を受けたんです。それで、「朴さんみたいな声優さんになりたい」と思ったんですけど、どうやったら声優になれるのか分からなくて。「芸能界に入れば声優になれるかも」とSKE48のオーディションを受けたのが、芸能界に入ったきっかけです。