――義父とはどれくらいの間、離れて暮らしていたのでしょうか。
ブローハン 小学4年生くらいまでだったと思います。母とまた一緒に暮らせるようになったのは嬉しかったのですが、義父からの虐待は相変わらず続きました。義父との同居を再開する前、僕が他の家に預けられているときに、義父が学校帰りの僕を車で待ち伏せしていたことがありました。
――それはなぜ?
ブローハン おそらく、義父は虐待が学校にバレることを心配していたんだと思います。僕の顔が殴られて腫れたりしているときは「今日は学校に行くな」と言われることもありましたから。
義父の両親がその地域の地主だったこと、さらに義父が公務員だったこともあり、世間体が気になっていたのかもしれませんね。
「お尻を見られてしまったんです」小学校の先生に虐待が発覚した経緯
――義父からの虐待を周囲に隠していたとのことですが、学校の先生に虐待が発覚した経緯について教えてください。
ブローハン 小学5年生になった頃、義父は僕をライターで炙るのにハマっていたんです。体の服で隠れる部分を中心に炙られていたんですが、それが左の臀部に集中して、ひどい火傷になって皮膚がグジュグジュになってしまって。
学校で椅子に座っているだけでもものすごく痛いので、授業中にお尻を浮かすように、体を傾けて座っていたら先生が異変に気付いて、僕を呼び出したんです。
――そこで傷口を見られてしまった?
ブローハン はい。僕が何を聞かれても答えようとしなかったため、先生たちがどんどん集まってきて。とうとう、お尻を見られてしまったんです。
義父からの虐待を打ち明け、児童養護施設に入所
――そのとき、ブローハンさんはどんな気持ちだったのですか。
ブローハン もうとにかく「やばい、バレた」と血の気が引きましたね。このことが義父に知られてしまうと、何をされるかわかりませんし、怒りの矛先がお母さんに向くんじゃないか、と思うと怖くて。
とても言い逃れができる状況ではなかったので、義父にやられたことを打ち明けると、学校がケースワーカーさんに連絡をしてくれて、そのまま家に帰らず一時保護所に預けられることになりました。