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中国も北朝鮮も米国をなめている

 要するに、金正日は「狂ってはいなかった」が、「賢くはなかった」ということである。そして、それは金正日も金正恩も変わらない。双方とも「米国を自分に振り向かせる状況を作り出そうとしている」だけだと述べた。

 ここで安倍は、北朝鮮の行動は、中国の意向に大いに左右されていると言い、中国に話を戻した。

「中国は北朝鮮の政策を変更させる力を持っています。中国は北朝鮮の石炭を大量に購入しています。中国を北朝鮮の核・ミサイル問題に正面から取り組ませるには、米国が北朝鮮に厳しい姿勢を示すことが一番です。米国が『すべての選択肢はテーブルの上にある』という姿勢を示せば、中国は北朝鮮を真剣に説得するようになるでしょう」

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「中国はオバマに北朝鮮カードをちらつかせ、米国を操作しようとしたということですね? 米国をなめているということだ」

「正直言わせてもらえば、その通りだと思います。中国だけではありません。北朝鮮もまた米国をなめています。一例を挙げると金正恩は、弾道ミサイル発射実験の現場を何回も視察しています。金正日の場合、もちろんこれはブッシュ政権の時の話ですが、自分の動静を決して明らかにしようとはしませんでした。ミサイル発射実験視察の映像によって、米国が自分の居場所を突き止めることを避けようとしたのだと思います。それに比べると、金正恩は平気で視察しています。もう怖いものはないという感じです」

「1月20日以降、すべてが変わる」

 トランプはここで自分の対中操縦術について述べた。

「米国は経済面で中国に対するパワーを持っている。私は中国とは良好な関係を目指したいと考えている。中国に北朝鮮の面倒をしっかり見させることだと思う。それができればうまくいく」

 そう言った後、「1月20日以降、すべてが変わる」と付け加えた。

 中国が米国をなめることはない、それはできない、そうはさせない。トランプは勝算ありげだった。

 安倍は、トランプの口からこのような発言が出るとは予想していなかった。

〈経済面で中国に対するパワーを持っている? 何を考えているんだ。トランプは中国にどのようなゲームプランで臨もうとしているのか?〉