「元社員が逮捕されたのは極めて遺憾だ」
11月1日の決算会見で、そう発表した野村ホールディングス。10月30日、広島県警に強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕された梶原優星容疑者(29)が、傘下の野村証券の元社員だと明かした。
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睡眠薬を服用させ、放火と強盗
広島市内の閑静な住宅街で、悲劇が起きたのは7月28日のことだった。
「広島支店で営業職だった梶原容疑者は、顧客の80代夫婦宅を訪問。睡眠薬を服用させて意識を朦朧とさせた後、住宅に放火し、その間に現金約2600万円を奪ったと見られる。夫婦は火事に気が付いたので無事でした」(社会部記者)
大胆に映る犯行には、こんな背景があった。
「夫婦は不動産関連会社を営んでおり、相応の資産を築いていた。しかも、現金での取引を好んでいました。実際、この日は事前に食事の約束をしており、大口の取引を持ち掛けていたのか、夫婦は現金を詰めたボストンバッグを用意していた。本人は『カネは奪ったが、放火はしていない』と供述していますが、県警は計画性があったと見て捜査しています」(同前)
法政大サッカー部では、愛されキャラ
証券マンとしてあるまじき行為に及んだ梶原容疑者。一体、どんな人物なのか。
「神奈川県横浜市で育ちました。幼い頃からサッカーが好きで明るい快活な子でしたね」(家族の知人)
法政二高を卒業後、エスカレーターで法政大に進学し、サッカー部に所属。元チームメイトが話す。
「法政大サッカー部は日本代表も輩出する名門ですが、レギュラーではなく、インディペンデンスリーグと呼ばれる2軍の公式リーグを中心に出場していました」
ただ、チーム内では愛されキャラだったようだ。
「体育会というコミュニティでは、実力で友人関係が決まりがちですが、社交性が高かったので、レギュラー選手たちとも仲良くしていました」(同前)