「オレがイッたら、帰ってもいいよ」――ときには暴力を使って、行為に及ぶことも…。裁判所からくだされた判決は懲役13年、多くの女性に強姦を働いた36歳・弁護士の悪質手口とはいったい? 2021年、千葉で起きた事件の顛末を、前後編に分けてお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/後編を読む)
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キャバクラ嬢を連続強姦…36歳・弁護士の悪質手口
竹林航介(36)は法科大学院を経て、26歳のとき、弁護士になった。結婚して妻子持ちになり、自分の法律事務所を開業し、主に離婚問題などのトラブルを扱っていた。
だが、無類のキャバクラ好きで、事件の被害者となるマドカさん(22)とも客として知り合った。
弁護士の身分証を見せられ、食事に誘われ、LINEを交換した。マドカさんは同伴以外は食事に応じないことにしていたが、相手が弁護士だったので特別に応じることにしたのだ。
それから5日後、2人は駅で待ち合わせた。竹林の車に乗って、寿司屋へ。そこで酒を飲み、2時間ほど過ごした。
「好物だって言ってたお菓子を買っておいたよ。ゲームも準備しておいた。家にこないか?」
マドカさんはこんなふうに誘われ、竹林の家に行くことにした。もっともその後は交際相手と会うことになっていたので、1時間ほどで帰るつもりでいた。
竹林とマドカさんはタクシーで竹林が借りているマンションに移動した。
ところが、玄関に入るなり、竹林は両肩を壁に押しつけ、「キスしたらすぐに帰すから」と言って顔を近づけてきた。マドカさんは顔を背けて抵抗した。
さらにダウンジャケットを引っ張って脱がそうとしてきたので、あまりの豹変ぶりに驚き、「いったん部屋で飲みましょう」と言って取り繕った。
「少しゲームしますか?」
注意をそらそうとして言ったのに、竹林は何やら怪しげな小瓶を取り出してきて、「これを飲んでよ」と勧めてきた。
断ると、無言で左手首をつかみ、ベッドに連れて行って押し倒した。
「ちょっと待ってください、痛いですって…」