残業月100時間以上のブラック企業を退社してYouTubeの世界に飛び込んだまめCHANNELさん。アマチュアレーサーだった経験を活かし、バイクで心霊スポットを旅する企画をスタートしたものの、後々「とんでもないことを始めてしまった」と戦慄することになったという。
ここでは『会社を辞めてバイクにまたがり今日も会いにいく 日本一周心霊ノ旅』(KADOKAWA)から一部を抜粋して、まめCHANNELさんが初めて心霊スポットに訪れたときの体験を紹介する。(全3回の1回目/続きを読む)
『会社を辞めてバイクにまたがり今日も会いにいく 日本一周心霊ノ旅』より
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ゼロ磁場に霊が引き寄せられるという廃トンネル
そのトンネルに着いた瞬間、もうやめようと思った。これっきりで終わりにしよう、と。心霊スポットを巡るのではなくて、神社仏閣のようなパワースポットを巡るチャンネルにしよう……そんなことを本気で考えていた。
僕の家は埼玉県にある。バイク旅の行程はまず、近場の関東の心霊スポットに行く計画を立てていた。向かうのは神奈川県にある有名な廃トンネル。どうせ行くのなら有名なところにまずは行ってみたかった。
この廃トンネルは日本屈指の心霊スポットで、通称は「お化けトンネル」。心霊好きの言葉を借りるならば、いわゆるゼロ磁場と呼ばれる特殊な場所で、方位磁石が使えなくなるとされ、霊もそのゼロ磁場に引き寄せられるという。トンネル建設中に起きた事故やかつてトンネル近くで殺人事件があったこともあり、周辺に悪い気が溜まっていると言われている。さらに、肝試しでやってきた人が神隠しで行方不明になっているという話もある。
たった一人で心霊スポットに行けるのか? という不安もあったが、日本一周バイク旅が始まってしまえば行くしかない。
バイクを南に向かわせ、心霊スポットのある厚木市に到着。しかし真っ昼間に心霊スポットに行っても雰囲気が出ないということで、この日の宿に向かう前に大山阿夫利神社へ向かった。ここはパワースポットとして有名なので、旅の祈願を込めて立ち寄ることにした。
急な階段を15分ほど登り続け、そこからケーブルカーに乗って神社へと向かう。どうやら神社は山の頂上にあるらしい。
ケーブルカーを降りると、そこにあったのは広く凛とした境内に、赤い立派な社。とても綺麗で神聖な場所だ。しかし到着したのは下社だったらしく、本社はさらに徒歩90分という看板が立てられていた。この時点で本社に行くのは諦めた。僕は諦めの早い男だ。
下社にあるお賽銭箱にお金を入れ、手を合わせて強く願った。
「どうか呪われませんように」