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ネット上では《懲役140年の間違いではないか》

 判決が下された日、ネット上では「懲役14年」がトレンド入りし、《懲役140年の間違いではないか》などとする批判の言葉が躍った。

 そもそも性犯罪は量刑が軽すぎるとの批判に何度もさらされてきた。

 かつては強姦罪、強制性交等罪などと呼ばれていた不同意性交等罪。1999年〜2001年では懲役3年以下の判決が5割を占めていた。17年に法定刑が5年以上に改められたが、19年に同様の罪に問われた被告が懲役15年以上となったのは、5%に満たない。

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長田凪巧被告(FNNプライムオンラインより)

 性被害者の支援団体関係者は「フランスが拷問を伴った強姦罪は無期拘禁刑に処するなど、海外では厳罰化が進んでいます。米国では一部の性犯罪者の再犯率が高いことを考慮して出所後もGPS端末を装着させています。日本は性犯罪者に甘いとみられかねません」と指摘する。

 政府は26年中に性犯罪歴がある人物を保育士など子供に接するような職業に就けなくする「日本版DBS」を始める予定だ。だが、長田のような初犯を防げない。

 判決は「安心して子供を預けられるはずの保育園で被害を受け、保護者の悲痛な心情は察するに余りある」と判示したが、「第二の長田」が生まれる危険性は日本社会に残っている。