1ページ目から読む
2/3ページ目

高卒認定試験を受けるも…

ーーそうしたひとみさんの状況をみて、ご家族は心配していたのではないですか。

ひとみ 両親はすごく私のことを大切に思ってくれていましたし、いっぱいサポートもしてくれたんですけども、当時はうまく感情を通わせることができませんでした。そこで結構、溝ができちゃったんですね。

ーーどういった溝でしょうか。

ADVERTISEMENT

ひとみ 両親は「ここで学校に行かなくなったら、あなたの人生は悪い方向に進んでいくよ」と正論を言うタイプで。たしかにその通りなんですけど、私自身の心が不安定だった時期なのもあって、もっと寄り添ってほしいという思いもありました。でも、両親なりにどうしたらいいか、というのをすごく考えてくれていたというのも理解しています。

ひとみさん

ーー出席日数が足りなくなり中退を選ぶわけですが、高校留年は考えなかった?

ひとみ そういう選択肢もあったと思うんですけど、留年するとなると一学年下の後輩とかかわることになるわけじゃないですか。部活で後輩とのかかわりもあったので、そこに抵抗があったんだと思います。周りのみんなと学年が違うという劣等感を絶対持ち続けるだろうな、というのもあったので。

「いつかは大学に行くぞ」と思っていた

ーー中退されたあとはどのように過ごされていたのですか。

ひとみ 高1から高2に学年が変わる春に中退して、その年の夏に高卒認定試験を受験し、全科目に一発合格しました。

ーー高卒認定試験を受けようと思ったのはなぜですか?

ひとみ 中退したときから、「いつかは大学に行くぞ」という気持ちはあったので、その過程で必須となる高卒認定試験は受けておこう、と思いました。

ーー大学に行きたいという気持ちは、通っていた進学校で周囲が目指していたから?

ひとみ そうですね。やっぱり大学に行くのは当然というのは、私の中に刷り込まれていたんだと思います。

ーー当時、実際に大学受験はしたのですか。

ひとみ 18歳から19歳のとき、予備校に行っていたこともあるんですが、当時は勉強の遅れをなかなか取り戻せなかったのと、明確な目標がなくて断念しました。私が通っていた進学校は、ちょっと言い方が悪いですけど「早慶上智を目指すのが当たり前で、MARCHに引っかからなかったらかわいそうだよね」みたいな風潮があったんですよね。その雰囲気にのまれながらも、私自身は受験勉強に本気になれていませんでした。