箱を開けるまで中身がわからないブラインドボックスが流行
POP MARTは日本の原宿や心斎橋、それにパリのルーブル美術館にも進出していて、世界的に人気です。POP MARTにしろ追随する有象無象のブランドにしろ、1シリーズで何体か用意されていて、箱入りで販売されています。中身は買って箱を開けるまでわからないブラインドボックスを採用。ちなみにブラインドボックスは中国語で「盲盒(マンホー)」といいます。
POP MARTの売上高は前年同期比62.0%増の45億6000万元、日本円で1000億円弱と元気ですが、このうち海外市場の売上高は259.6%増の約280億円と目覚ましい伸びを示しています。タイでオフィシャルショップをオープンしたら、タイの業界では信じられないくらいの売上を記録したそうです。
ブラインドボックスならではの、開けるまで何が入っているかわからないドキドキ感がタイ人に刺さったようで、InstagramやFacebook、TikTokで何をゲットしたかシェアする人が多いようです。どれだけコレクションしたのかを相手と競いたくなるのも、ブラインドボックスが人気になっている理由だそう。
「BLACKPINK」のリサが、SNSに投稿するたびに爆売れ
そうはいっても、POP MART自体は数年前から商品を出していて、去年はそんなにタイでPOP MARTの商品が席巻してなかったんですよね。
じゃあ何があったのかというと、中国でもタイでもなく韓国の有名4人組ガールズグループ「BLACKPINK」のメンバー・リサが、POP MARTのLABUBUのグッズをSNS上に多数投稿したんですね。この投稿がきっかけとなり、ファンのタイ人がLABUBUをはじめとしたPOP MARTグッズを買い漁り始めたのです。
タイ国内で欲しい商品が見つからないとなるや、ファンのタイ人は中国にまで買いに行き始めます。中国のリアル店舗や、ショッピングモールにある自販機、さらには展示会場などでタイ人がグッズを爆買いし、日本円で何十万円、何百万円と費やした人もいたそうです。それは、タイメディアでも中国メディアでも報じられています。
リサが写真をSNSに投稿するたびにグッズが爆売れするので、そこに転売業者も参入。定価の倍額で売られるならいいもので、ひどいときには10倍もの価格で売られることもあるといいます。