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 僕が悔しいだけです。でも対人博打だと、僕が負けたら相手喜びますやん。そういうのが割に好きなんかなと思います。もちろん、勝ちたいですよ。で、自分が勝って相手が悔しがってる顔を見るのはもっと好き。

自分のギャンブル運は強いと思います。

 カジノへ行っても同じで、ブラックジャックやバカラが主で、スロットなんかはやりません。相手の顔を見て、技術と運の勝負をしたいんですね。パチンコも同じ理由でやらなくなりました。受験浪人一年目のころは頻繁に行きましたが、大学に入ってパタッとやめました。パチンコも一勝九敗ペース。

 コロナのせいでごぶさたですが、以前はカジノにもよく行きました。最初は大学二年のときにマカオへ。そのときはビギナーズラックで四万円くらい勝ちました。今から五〇年以上も前の四万円ですからけっこう大きな額ですよ。もう時効だけど、パチンコも高校生で初めてやったとき勝ったし、昔、喫茶店によく置いてあった違法スロットも百円入れたらいきなりジャックポットが出て一万円になった。競馬も初めて買った馬券は当てました。

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 それも三レース連続で。麻雀や花札はさっき話したように、覚えたときから勝ちまくった。だから自分のギャンブル運は強いと思います。

©AFLO

対人でない博打は大負け

 ただ、対人でない博打はその後、大負けしているから向いていないんでしょう。麻雀はね、大幅に勝ち越している。カジノはかなり負けてます。公営博打はもうほとんど連戦連敗、パチンコはめちゃくちゃ負けた。ふりかえってみると、勝負に関してはそれぞれの負けの分を麻雀ですべて取りかえしてるのと違うかな。自分の感覚ではトータル勝ち越しです。でも別に博打に負け越したって最終的に人生で勝ってたら、それでいいんやないかな、と思いますよ。

 人生におけるツキはというと、ここ一番の大勝負は勝ちます、僕。

©文藝春秋

人生の関門

 最初の大勝負は大学(京都市立芸術大学)受験。倍率三十倍のデザイン科を二回落ちて、親父からもう許さんと言われて、船に乗せられたんですよ。親父は船乗り(海運業)で、瀬戸内海で操業する四九九トンのけっこう大きな内航タンカーを持っていたので、それに無理やり。一年近く飯炊きやらの雑用をさせられたんだけど、あまりに重労働で、なんとかして逃げださんと、と思った。跡を継げと言われとったけど、「もう一回だけ芸大を受けさせてくれ」と頼みこんで一月に船を下りて二月の受験まで一カ月、必死に勉強しました。それで、倍率十倍の彫刻科に合格した。あれが人生の第一の関門でしたね。