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 それでも25歳の時にはバンド・東京事変での活動をスタートさせ、28歳で蜷川実花監督、土屋アンナ主演の映画『さくらん』(07年)の音楽監督をつとめ“セクシー&和風”というイメージを確立させた。

和モチーフを使用することも多い 本人Xより

 スタイリッシュでセクシーな着物のステージ衣装の着こなしはクラシック・バレエで鍛えた椎名のナイスバディならではで、背中がオープンのドレスや下着のような衣装でギターをつまびく姿も披露。豊かなバストや太ももも歌とダンスに合わせて揺れ、パフォーマンスを盛り上げていた。

 東京事変として『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出演した際のステージ・セットから衣装から宇宙的なコンセプトでコーディネイト。視聴者らがSNSで一斉に「胸にばかり目がいってしまい、パフォーマンスに集中できない!」とざわついた。

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「女性というものを尊敬しつつ、嫌悪している」

 以前からコスプレ的な衣装も使いこなし、「本能」のミュージックビデオでの白いミニスカナース服に真っ赤なルージュ、ピンヒールでガラスを蹴り抜く映像はあまりにも有名。ちなみにこのナース姿は、子どもの頃に入退院を繰り返した病院、医療現場への郷愁からだという。確かに彼女の歌詞や映像には医療モチーフのものが頻出している。

セクシャルな雰囲気の使い方はデビュー時から際立っていた「本能」MVより

 デビュー当初から性的なモチーフも多く、足のネイルを塗る男女の関係性の深さをつづった「おこのみで」(03年発表)や、『さくらん』を彷彿とさせる娼婦の深紅の襦袢と白い柔肌を想起させる「暗夜の心中立て」(14年発表)など名曲も多い。

 椎名は数多くのインタビューの中で「女性というものを尊敬しつつ、嫌悪している」と答え、男性から見た女性、女性から見た女性という反対の感情が同居したパフォーマンスを披露している。

 また「男性の欠点は、女性が理解してあげないといけないんだと思う」ともたびたび答えており、「しょせん人間は男と女なんだから仕方ないじゃん」という豪快な笑い声が聞こえてきそうだ。