日大アメフト部の問題、働き方改革関連法案の問題、森友学園問題の再燃など、さまざまな話題が物議を醸した1週間だったが、加計学園問題もいまだに落ち着いていない。中村時広愛媛県知事による文書提出から端を発した、さまざまな発言を集めてみた。
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安倍晋三 首相
「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」
朝日新聞デジタル 5月21日
学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐり、2015年2月に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会した、と学園側から報告を受けた内容を愛媛県職員が文書に記録していたことがわかった。愛媛県は21日、要請を受ける形で関連文書計27枚を参院予算委員会に提出した。
文書によると、安倍首相は2月25日に加計氏と15分ほど面談し、加計氏が首相に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」したという。それに対して、「首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記されていた。
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安倍晋三 首相
「今回であれば獣医学部を創りたい、さらには今治市にといった話は一切ございませんでした」
BuzzFeed NEWS 2017年7月24日
安倍首相は2017年7月24日に行われた衆院予算委員会で、加計学園の獣医学部新設計画を把握した時期について、国家戦略特区申請が認められた2017年1月20日だと明言していた。それまで加計孝太郎氏から「獣医学部を創りたい」という話は「一切ございませんでした」とも述べている。愛媛県が公開した文書の内容が事実なら、この答弁は明らかに嘘となる。
なお、「安倍首相が1月20日に知ったのは国家戦略特区制度を使った申請のこと」「獣医学部新設の構想は構造改革特区で申請された時点で知っていたから答弁に矛盾はない」と首相を擁護する声もある。たしかに安倍首相は昨年6月、「(小泉純一郎内閣時代に創設された)構造改革特区で申請されたことを私は承知していた」と答弁していた。しかし、昨年7月24日の答弁では「構造改革特区と国家戦略特区を取り違えた」と説明した上で、「整理が不十分だった。おわびして訂正したい」と謝罪している(ロイター 2017年7月25日)。
過去に構造改革特区での申請があったことについては「説明を受けていない」として、「加計学園の申請が正式に認められた国家戦略特区諮問会議において、私が知るところに至ったわけでございます」と明確に発言している(BuzzFeed NEWS 2017年7月24日)。あくまで加計学園の獣医学部新設の構想について知ったのは1月20日だと強調していたのだ。