NHK BSで放送されていた「団地のふたり」で、小泉今日子と息の合ったかけあいを見せ「こんな年の取り方ができたら最高」と称賛を浴びた小林聡美(59)。
2025年1月にスタートする上白石萌音主演のドラマ『法廷のドラゴン』(テレビ東京系)への出演も決まっている。
小林聡美は1965年5月24日生まれ、東京都葛飾区出身。14歳で武田鉄矢主演の『3年B組金八先生』のオーディションを受けて合格。丸顔で愛嬌のある姿で人気を博した。
16歳で見せた「衆人環視の中でタオルを開いてヌードになる力演」
転機は16歳で主演した映画『転校生』(82年)。大林宣彦監督の「尾道三部作」第1作で、石段から転げ落ちたショックで体と心が入れ替わってしまった中学生男女のラブストーリーだ。
小林はこの作品が映画初主演だったが初ヌードを披露。オーディションの際、涙目で指を4本立てて「これだけなんですね?」と聞いた姿が決定打になったという。「4」は映画の中でヌードになるシーンの数だった。
作品の性質上、男性俳優との絡みはなく、自分の体が女性に入れ替わっていることに気づかない主人公の滑稽さを表現するためのヌードなので、セクシーさは皆無だが、それでもやはりドキッとさせられる。
水泳部の合宿シーンでは、自分の体が女性になっていることに気づかず、胸の水着をつけ忘れたまま羽織っていたタオルを開き、衆人環視の中でバストトップをさらけ出すのだが、仕草がいかにも男の子然としていて、笑いの中にも演技力が光る。
デビューからわずか2年、しかも全国公開の映画で16歳の女子がヌードになるには相当な覚悟と矜持が必要だったに違いないが、その気持ちは報われ、第6回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。その後、テレビドラマのオファーが次々と舞い込んだことは言うまでもない。