雅子さまが、15年ぶりに日本赤十字社の全国大会へお出ましになったことは、どのような深い意味を持つのか。皇室取材を担当して10年以上になる記者の佐藤あさ子氏が、女性皇族方のファッションとそのお振る舞いから分析する。
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雅子さまは15年ぶりのお出まし
5月16日、日本赤十字社の全国大会が明治神宮会館(渋谷区)で行われ、日本赤十字社の名誉総裁を務める美智子さまが出席された。来年の天皇陛下の退位にともなって、美智子さまは今回が最後のご出席となった。名誉副総裁を務める雅子さまは病気療養に入られた2003年以来、実に15年ぶりのお出ましが実現した。
壇上では、お袖などにデザインが施された白いスーツをお召しの美智子さまとは対照的に、雅子さまはシンプルな紺色のスーツ姿だった。続く紀子さまは青みがかった白磁色のスーツ、信子さまは紺色のワンピース、久子さまは薄いグレーのスーツという出で立ちだった。美智子さまのスーツの凛とした白さが際立って、遠目に見るとまるでオセロのように、ホワイトとネイビーが交互になるお立ち位置はとても美しく、女性皇族の一体感を演出しているように見えた。
お代替わりまであと1年を切ったことで、美智子さまから雅子さまへ、皇后としての公務を“バトンタッチ”される機会が、今後もたびたび報じられるだろう。これまで、雅子さまは海外志向で「美智子さま路線」を引き継がれないのでは、とたびたび論じられてきた。しかしながら、こうした「公開継承」を通して、雅子さまがどのような皇后の道を歩まれようとお考えでいらっしゃるのか、次第に明らかになっていくのではないだろうか。