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雅子さま 「オセロ」ファッションで臨まれた「公開継承」

雅子さま 「オセロ」ファッションで臨まれた「公開継承」

15年ぶりに日本赤十字社の全国大会へご出席

2018/05/30
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美智子さまからサプライズの「お声がけ」が

 私はこの日、全国赤十字大会を終えてお帰りになる美智子さまをはじめ、女性皇族方を乗せた車両を屋外で拝見していて、美智子さまがお乗りになった御料車(ごりょうしゃ)のボンネット中央に、赤地に菊のご紋が入った「皇后旗」がはためいていることに目を奪われた。「皇后陛下のご身位を示すこの旗を、2019年5月からは雅子さまがお使いになるのだ」と実感したのだ。また、美智子さまを見送られたあと、車両の中から沿道の人々に手を振られる雅子さまの笑顔がとても晴れやかだったので、15年ぶりのご出席が実現して安堵されたのだろうと思ったら、美智子さまから「サプライズ」のお声がけがあったと聞いて、深く納得した。

©日本赤十字社

 美智子さまは壇上から退場される前に、雅子さまのほうをちらりと振り返られて、左手を差し伸べられた。雅子さまが「えっ」と驚いたご表情でおそばに近寄られると、美智子さまが雅子さまの右腕にご自身の左手を添えられたまま、何かを語りかけられたようだ。そのまま、お二人で会場へ向かってお辞儀をされた。「次期名誉総裁は、新皇后の雅子さま」であることを、美智子さまのなさりようでお示しになったようだった。会場からは大きな拍手が起こった。

2年に一度の「フローレンス・ナイチンゲール記章授与式」

 美智子さまは、日本赤十字社の名誉総裁職を香淳皇后から引き継いで務めてこられた。毎年の全国赤十字大会へのご出席のほか、御所では、日本赤十字社の社長から1年間の活動状況について報告を受けられている。また、特別功績のあった看護師らに赤十字国際委員会から2年に一度授与される「フローレンス・ナイチンゲール記章」の日本人の受章者に対する授与式には自ら出席されて、受章者の胸に記章をとめておられた。

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2017年8月2日、「第46回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式」での雅子さま、紀子さま、信子さま

 全国赤十字大会からさかのぼること約9カ月。この2年に一度の「フローレンス・ナイチンゲール記章授与式」は、昨年の8月2日、美智子さまをはじめとした女性皇族方を迎え、東京プリンスホテル(港区)で行われた。この日、雅子さまは同式典へ14年ぶりに出席された。美智子さまは白のスーツをお召しになっていた一方で、妃殿下方のお召し物は色とりどりで、それぞれの個性が際立っていた。先述した全国赤十字大会の調和が取れたスタイルとは対照的な印象を受けた。