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『海に眠るダイヤモンド』は、「おしんフォーマット」を踏襲している?
巧まずして『海に眠るダイヤモンド』の第3話、島内で女優オーディションが開催され、朝子が天賦の才を発揮した際には、つい『おちょやん』で杉咲が見せた名女優のスピリットを懐かしんでしまう。第6話で朝子と鉄平が尽力して島に屋上庭園を作るエピソードでは『らんまん』の「雑草という草はない」という名言が頭をよぎった。
ちなみに、國村隼演じる鉄平の父・一平は『おちょやん』で成田凌が演じた千代の放蕩夫・一平と同じ名前である。また、朝子の弟の名前が「竹男」であるのは、思いがけず『らんまん』で志尊淳が演じた万太郎のバディ・竹雄を想起させる。偶然ではあろうが、やはり何かの縁を感じる。
さらに話は逸れるが、「孫とおばあちゃんの年頃の男女が、ルーツを探る旅をする」「老女が数十年ぶりに目にした故郷の前で慟哭する」という『海に眠るダイヤモンド』の導入は、はからずも「おしんフォーマット」を踏襲している……と言ったらこじつけが過ぎるだろうか。ともあれ、神木は現代の朝子を演じる宮本信子と並んでもぴたりとハマる。天性の「おばあちゃん子オーラ」がある、とでもいおうか。
さて、多幸感あふれる第6話から一転、第7話では急転直下の展開が待ち受けていそうだ。いずれにせよ、神木隆之介と杉咲花という、抜群の安定感がありながら、常に新たな化学反応を見せてくれる奇才2人は、これからもその演技で視聴者を魅了し続けることだろう。