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自殺死亡率が高いのはどこ? 47都道府県と主要都市を調べると……

統計比較で浮かび上がる、日本社会の姿とは

2018/05/29

自殺死亡率が高い主要都市は?

 次に、都道府県庁所在地と政令指定都市、東京都特別区(23区)で見てみる。すると、愛媛県松山市が20.94でトップとなる。東北や北陸地方が全体としては高い中で、四国地方の中で唯一、上位に位置している。ついで石川県金沢市(20.68)。群馬県前橋市(19.47)、富山県富山市(18.89)、和歌山県和歌山市(18.76)となっている。

 ただし、政令指定都市での行政区や東京都特別区別で比較すると、最多は大阪市西成区で38.86。ついで名古屋市中区が34.0。大阪市浪速区の33.5、北九州市小倉北区の31.55と、都市部でも自殺死亡率が高いことになる。東京圏では千代田区(26.76)、台東区(22.19)、荒川区(21.12)、新宿区(20.68)が上位に顔を出す。川崎市川崎区(24.06)、横浜市西区(20.40)、千葉市緑区(20.32)も高い。

 最も低い都道府県庁所在地は横浜市で、12.13。男性全体では上位の宮崎県だが、県庁所在地の宮崎市(12.36)は少ない方から2番目で、県内でもばらつきがある。少ない地域ということか。

警察統計をもとに作成 ©文藝春秋

圧倒的に高い大阪市西成区

 男性で見てみると、市区別で愛媛県松山市が最多で28.04。北九州市(27.96)や静岡市(26.92)、島根県松江市(26.51)、神戸市(25.87)が後に続く。

 行政区を含めると、やはり大阪市西成区が54.08で圧倒的に高い。北九州市小倉北区(43.37)との間には11.0近い差がある。

 女性でも、愛媛県松山市が14.63で最多。ついで和歌山県和歌山市(13.26)、石川県金沢市と沖縄県那覇市が13.19。沖縄県は県全体の女性では低い方から2番目だが、県庁所在地では高い率となっている。

 行政区では名古屋市中区で28.98。松山市よりも10以上、高い率だ。ついで、浪速区(28.1)や東成区(23.69)、天王寺区(22.39)と大阪市が続く。大阪府は下位だが、大阪市内でも格差があることがわかる。

「総じて、最低賃金が高いところは自殺死亡率も低い。日本の自殺は経済問題と直結しやすい傾向がある。そのため、行政施策という面で見れば、地域格差をどう埋めるのか。困っている人をどう支えるのか、という観点が重要になってくる」(金子室長)

 たしかに、昨年度の最低賃金が最も低い地域は、高知県や佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県で737円。ワースト1の秋田県は738円で、青森県や岩手県と同額で東日本で最も低い。ワースト3位の愛媛県は739円となっている。自殺死亡率が高い地域は最低賃金も低い。

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