卵を投げつけられた高校生も
12月7日、野党が国会に提出したユン大統領の弾劾訴追案は不成立となりました。投票開始からすぐに与党議員たちは可決を防ぐために国会から退席。与党議員たちの氏名が新聞に掲載されたのですが、まるで“逆賊”かのような扱いです。「何千件もの悪口メールが届いている」と、個人のSNSアカウントで明らかにする与党議員もいます。
ユン大統領の出身高校が、生徒の服装を一時的に自由化したというニュースも出ています。制服を着ているだけで悪口を言われたり、登校中に卵を投げつけられるといった被害が発生したための措置とのことです。
弾劾訴追案の投票が行われる前日の6日には、ユン大統領の弾劾を求めるデモ集会のけたたましい音楽が、光化門エリアにあるオフィスの中まで鳴り響いていました。帰宅時もキャンドルデモをしていたので、見学をしてみました。
余談ですが、光化門エリアでは毎週土曜日何かしらのデモが開催されています。参加者は年配の方が多く、規模やテーマもその都度異なります。韓国のトロット(演歌)と歌謡曲をミックスしたような音楽が流れ、音楽にのってプラカードを振っていたり……。「あれは年配者のフェスだよ(笑)」なんていう韓国人の友人もいました。
国会議事堂前や各所で行われていたキャンドルデモでは、K-POPアイドルのペンライトを持参している人も。筆者個人としては、民主主義の意味を改めて考えさせられる光景でした。しかし、異なる意見が“逆賊”扱いされ、一方への攻撃が激化していることに不安も覚えています。ただ、確かなのは、韓国中がこの混乱の行く末を案じているということです。