人間不信、「友達」はいらない
コンパスで刺されるなんて本当に傷害事件よ。ハブになった時だって、「無視しないで!」なんて言って反論もできないのよ、悟るしかない。「あ、この人にも回ってきたんだな」って、悟って黙るしかない。だからヮタクシと喋ってくれる人がいないまま、何週間か経って、それでもみんな知らないふりをしたの。だからヮタクシは今も「友達」っていうものを信用していないの。
友達なんていらないし、そもそも人間関係なんていつ切れるか分からないから。常に自分だけを信じてる。逆にみんながそれに共感してくれたから、今のヮタクシがあると思っているけれど。同じ経験をした人がたくさんいたっていうことなのね。
だからヮタクシは今も、いじめてきた奴らは本当にウザいし、心からあの世にお行きになってほしいと思ってるの。同じことを大人になった今、やり返してやりたいくらい。あの時ヮタクシが本当に嫌だった気持ちや辛かった気持ちを、今は大人だからどうにか割り切れるけど、中学時代なんて割り切れないじゃない? 学校が全てなんだから、本当に死にたいとか思っちゃう。あの時のいじめた奴ら、本当に地獄に突き落ちてほしい! ヮタクシ、そのNに会ったら本人に言ってやりたいわ。
いじめの真っ只中にもらった手紙
地獄だった中学校生活の中で、唯一少しだけ救われたエピソードがあるの。
全然違うクラスだったSちゃんっていう子がいたのね。ヮタクシが、まだいじめられてて、みんなから無視されてたの。そんな中でSちゃんと廊下でたまたますれ違った時に「これ読んで」って言ってSちゃんから手紙を手渡されたことがあって。そこには小さい文字で一言、「わたしは〇〇(アレン)の味方だからね」って書かれていたの。
この手紙を受け取った瞬間、「これは一生持っておかなきゃいけない」と子どもながらに思って、今もちゃんと実家にまだ残ってると思う。Sちゃんとは大人になっても会ってたのよ。Sちゃんが子どもを産んでも会っていたわ。
ヮタクシが受けたいじめの問題は、学校の先輩を巻き込んだり、教育委員会も調査したりして大問題になったわ。確かいじめてきたNは、中学校を退学処分になって、地元の公立中学校に戻されたって聞いたの。その後からよ、ヮタクシがグレ始めるのは。
当時、隣のクラスのSくんっていうすごく仲良しだった男の子がいてね、でもその子は早い段階でグレちゃって、すぐ学校に来なくなったの。それでも放課後、一緒に遊ぶほど仲は良かったんだ、その後ヮタクシもいじめをきっかけに不登校になって、あっという間に非行に走っちゃった。
でも、友達から「グレよう」って言われたんじゃなくて、いじめられていた分、「見返したい、怖がらせたい」って思ってたからなの。だから必然的に非行グループと仲良くなって、どんどんグレていったの。
