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 夫のモノは依然として片づかないままでしたが、決して「片づけて」と催促することはありませんでした。その代わり、「床がきれいになったら、子どもがハイハイできるね」「私はこの本をリサイクルに持っていくけど、何か一緒に持っていく本ある?」など、気持ちを促す声かけを続けました。

 すると、夫の行動に変化が見られました。ある日、夫が急に「手伝うことある?」と話しかけてくれました。

「うれしかったですね! たぶん、息子にとってのメリットを伝えたのがよかったと思います。そこから、いろいろと相談できるようになりました」

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部屋ごとの理想を紙に書いて夫とイメージの共有をした

 さくらさんは、夫と片づけのイメージを共有することが大切だと気づきます。「リビングではテレビを見る。くつろぐ」など、部屋ごとの理想を紙に書き出して壁に貼ると、お互いにやるべきことが自然と見えてくるように。

 特にイメージの共有が役に立ったのは、キッチン。夫が料理好きなので、夫婦ともによく使う場所です。

リビング

【Before】広いリビングに置かれたテーブル、棚、床などすべての場所にモノが散在している
【After】子どもが安心してハイハイできるように。床が広く使えて、棚には空いている場所も見えます

「私が使うときに計量カップがなかったり、同じ調味料がいくつも出てきたり、ということがよくありました。ちょっとしたことですが、ストレスだったんです。でも、今ではそんなことがなくなりました。料理酒がなくなったことに気づいて私が補充したら、夫が『使いきったはずなのに、ある!』と驚き、『買っておいたよ』と伝えると、『ありがとう!』と言ってくれたこともありました」

 新しくキャンプ道具を買ったときも、きちんと置ける空間があるということが嬉しかったそう。

 片づけ終わった今では、息子が家じゅうを思い切りハイハイして回り、つかまり立ちもするようになりました。夫婦が目標としていた光景です。さらに、ロボット掃除機が動くたびに「片づけてよかったね」と夫婦で喜び合っています。

【彩智POINT】

さくらさんのよかったところはなんといってもご主人とゴールのイメージを共有できたことです。ゴールが共有できるとお互いがやるべきこと、できることが明確になります。