今やCM依頼が殺到…2024年、突如ブレイクを果たした芸人で俳優のひょうろくさん(37歳)。バラエティ番組、YouTube、ドラマなどさまざまなフィールドを器用に渡り歩く彼だが、実は10~20代の頃は自分の持ち味がわからず、人に流されるがまま生きていたころも。そんな彼がいかにして、芸能人という天職にたどりつき、ブレイクを果たしたのか? インタビュー前編をお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

2024年、異例のブレイクを果たしたひょうろくさん。芸能界でブレイクするまでにどんな人生があったのか? ©山元茂樹/文藝春秋

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バカにされてばかりだった少年時代

――ひょうろくさんって、どんな子供だったんですか。

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ひょうろく 家でも外でも、あまり喋らない子でした。教室では端っこの方にいるような、ちょっとおとなしい感じだったと思います。

――バレーボールをずっとやっていたとか。始めたきっかけは何だったのでしょう?

ひょうろく 5歳上の姉と3歳上の兄がやっていた流れで、小学校1、2年生ぐらいから、気づいたら自分もやってて。あ、でも運動神経は全然良くないんですよ。中学校の時はセッターで、そんなに身体能力はいらないポジションだったし。

――でも、バレーボール推薦で鹿児島工業高等専門学校に入学したんですよね?

ひょうろくさん チームメイトがすごくうまかったみたいで、僕はラッキーなだけ。高専時代はずっとバカにされてましたね。

――バカにされて…?

ひょうろく まぁ色々ですね。見た目もそうですし、顔とかも。

――それは…直接的に何か言われたり?

ひょうろく そうですね。暴言っていうか、顔がブサイクとか、頭が悪いのをバカにされたりとか。スポーツ推薦なので、頭は実際よくなかったんです。ずっと下から4番目とか3番目とかで。

――いじめでは?

ひょうろく ああ、受け取り手によってはそうだと思います。普段は仲が良い人たちが言うから、最初のうちはどうしてそういうことを言うのかわからなくて。

 当時は、自分でも顔が変だとわかってなかったので、何が起きているのか混乱して。慣れるまではめちゃくちゃ傷つきましたけど、慣れたらどうということもなくなって、「いやいやいや…」って、適当にかわしていました。

――慣れて…反論はしなかったんですか?

ひょうろく 「やめて」って言うのもなんか違うなと思ってたんですよね。向こうも悪意はないというか、冗談でイジってるのはわかるんです。ただ、こっちがスルーしても、周りの反応は止められない。だったら自分が変わるほうが手っ取り早いというか。

――高専卒業時、進路に関してどう考えていましたか。