「昔の大ヒット曲を繰り返し歌う歌手は必要なのか」論争。もう十何年も前から、紅白の出場者が決まると、沸き起こる議論である。
紅白の常連の一人が郷ひろみ。51年前の1973(昭和48)年に「男の子女の子」で初出場してから、何度かブランクがありつつも、今年で37回目の出場を果たしている。特に2015年ごろからは、「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」か「GOLDFINGER'99」の歌唱が多く、自然とこちらもエキゾチックジャペアオオンかアチチ、どちらかの雄叫びとジャケットプレーを待ち構えるようになっている。
郷ひろみの出場をマンネリとする声も…
彼の出場をマンネリとする声もある。しかし結局、郷ひろみが出るとテンションが上がるのだ。名は体を表すというが、GOGOGO!と場の空気を前向きに持っていく郷の高揚感、瞬発力は唯一無二。出番がトップバッターや2番手が多いのも頷ける。エンジンをかければ即フルスロットルになる彼のモチベーションは、「幕開け」にふさわしい。
2017年から2019年は、楽屋から登場し、その年話題になったスポーツや輝いた人をモノマネなどで表現する芸人たちと絡みつつ、歌いながら小走りにステージに向かうスタイルが定着。私も勝手に「その年の流行や明るい出来事を、走る郷ひろみと振り返るコーナー」として銘打ち、楽しみにしていた。
これが毎回続くと思いきや、昨年は趣を変え「2億4千万の瞳~ブレイキンSP~」。パリ五輪から正式種目に加わるダンス競技「ブレイキン」のダンサーたちとパフォーマンスし、補助ありながら片手倒立の技「マックス」を成功させていた。