現在、皇室には皇位継承権を有した男性皇族が3人しかいない。しかも、第三位の常陸宮は天皇の叔父、第一位の秋篠宮は天皇の弟にあたる。次の世代は悠仁親王しかいない。安定的な皇位継承のためには、今すぐに女性天皇を認めるような皇室典範の改正を行うべきであろう。
歴史上、十代8人いた女性天皇は「中継ぎ」であったという説明がよくなされる。しかし、日本古代史の最新の研究によって、この考え方は否定されている。その時期の皇族のなかで、政治的に優れた年長の女性が天皇に即位していた。
ならば現在でも、人間的に優れた人物であれば、男性でも女性でも関係なく天皇に即位することが、「伝統」的な考え方に合致しているのではないだろうか。むしろ、現在の象徴天皇制は、その人物がいかなる考えを持ち、行動をするのかがメディアを通じて伝えられ、それによって人々に支持されている。性別に関係なく人物本位というのは、歴史上だけではなく、現在の象徴天皇制のあり方とも合致する。
順風満帆ではなかった愛子さまの“足跡”
2001年12月1日に誕生した愛子内親王は、皇太子の娘として、常に注目を浴びる存在であったが、必ずしもその足跡は順風満帆なものとは言えなかった。適応障害の診断を受けて療養生活に入った雅子妃への批判、愛子内親王自身も学習院初等科のときの不登校騒動や15歳のときの摂食障害報道など、メディアにおいては必ずしも好意的に取りあげられてきたわけではなかった。
しかし、平成後半くらいから、次第にその人物像が注目を浴びるようになる。学業成績は常にトップクラスであることが、たびたび記事となった。
令和となり、天皇と皇后の存在が取りあげられるなかで、家族3人での姿もメディアに注目されるようになった。両親と一緒の場面でのほほえましいやりとりから、愛子内親王の等身大の姿が人々に広まった。
さらに2022年3月17日には、成年の記者会見を行い、その場でも一人で記者を相手にユーモアある回答を展開し、その姿も高く評価された。