秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまは2024年9月6日の誕生日で、成年を迎えた。民法の改正で成年が18歳に引き下げられたため、筑波大学附属高校3年生の悠仁さまも成年皇族の仲間入りを果たした。世間では、「東京大学進学説」がしきりに取りざたされるなど、悠仁さまの進路が大いに注目されている。
悠仁さまが成年となった5日後の9月11日、母親の紀子さまが58歳の誕生日を迎えた。紀子さまは、毎年の誕生日にあわせて宮内記者会から質問を受け、それに対して真摯に答えることが慣例となっている。2024年も、長男が成年となった感想やこれからの進路についてどのように考えるのかなどを尋ねられ、次のように文書で回答した。
「小さかった頃、(略)賑やかに鳴くセミ、飛び跳ねるバッタを追いかけるなど、さまざまな虫に関心を持つようになりました。いつしか、自分の指よりも大きいトンボを手にとり、間近で複眼、翅(はね)や肢(あし)の特徴や、放したトンボの飛び方を観察して『これはなんだろう』『なぜだろう』『どうしてだろう』と昆虫の図鑑で調べるようになりました」
「長男が幼稚園や小学校低学年のとき、(略)山や川に出かけ、多様な自然環境に棲むトンボの羽化から産卵行動までの生活史を観察・記録するようになりました。あるとき、ヤゴの夜間の行動を、ビデオカメラで記録しようとしていましたが、ヤゴが移動したために思い通りに映像を撮ることができず、試行錯誤を繰り返しながら根気強く記録を続けて、ついに撮影ができたことも心に残っています」
まさに、母親の目を通した「息子の成長記録」とも言うべき内容だ。文書には、幼少時から始まり、幼稚園、小・中学生、そして高校時代へと、悠仁さまがトンボなどの昆虫や植物などに興味を持ち、観察、調査し、研究を深めて行く様子が、具体的に生き生きと紹介されている。
「なぜだろう」「どうしてだろう」
こうした、子供らしい素朴な疑問や驚きから出発して、失敗を繰り返しながら成功の果実をつかみ取る過程が、悠仁さまの一番、身近にいる人の視点から描かれていて、とても興味深い。
最近、話題となった学術論文「赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理」も、秋篠宮邸などがある都心の広大な緑地、赤坂御用地のトンボの多様な生息状況などを粘り強くモニタリング調査し、考察した成果の一つである。