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忘れていた選手時代のピュアな気持ちが蘇る
東京陸上競技協会の会長を務める増田は、今年の箱根駅伝も1区で選手たちの力走を見届けるという。
「1月1日はニューイヤー駅伝、2日の箱根駅伝を見て、実家に帰省するというのが私のルーティンなので、今年も楽しみにしています。
小説をこれから読む方には、ネタバレにもなるので具体的にお話しできないのですが、いろんな場面で涙と感動があふれる物語ですので、ぜひ読んでいただきたいです。選手たちの『心の思い』の描かれ方がとても美しくて。『俺たちの箱根駅伝』を読んでいると、現役を引退してから忘れてしまっていた選手時代のピュアな気持ちが蘇ってきました。ランニング中も登場人物を思い出して、それぞれの選手の気持ちをイメージしながら走っていますよ。
目標に全力で挑むときの心のありようは、年を重ねるにつれて忘れてしまうんですが、池井戸さんはきっと『青春時代の心』をお持ちなんだと思います。そうじゃないと、こんな小説は描けないと思うんです」
増田明美(ますだあけみ)
1964年、千葉県生まれ。 私立成田高在学中に、長距離種目で次々に日本記録を樹立。82年2月に、マラソンの日本最高新記録(当時)を樹立。メダル候補として出場した84年ロス五輪では途中棄権。92年に引退後は、スポーツジャーナリスト、解説者として活躍している。