今年はパーカーやスウェットが大きな話題に。筆者が「コンビニに売っているスウェットと、2万円を超える高級スウェット、どちらに価値があるか?」という内容の記事を配信したところ、大きな反響があった。さらに年末には「パーカーおじさん」論争に火がついた。

 折からの物価高で、「安くてイイもの」に自然と目がいくのも事実。そんな中、一枚のスウェットが世の中を騒がせている。ファミリーマートのコンビニエンスウェアの「スウェットトレーナー グレーミックス」(2990円)である。

「コンビニエンスウェア」スウェットトレーナー グレーミックス(税込2990円、ファミリーマートHPより)

 あまりの完成度の高さに、「これでアンダー3000円は奇跡!」「どこにも売ってない……」「ファミマをはしごしてまとめ買いした」などと注目を集めている。

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 とはいえ、コンビニで気軽に買えるスウェットが本当にそこまでスゴイのか? 数々の名プロダクトを発掘し、世に紹介してきた『&GP』の名物編集長・澤村尚徳さんにきいてみた。

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「コンビニエンスウェア」スウェットトレーナー グレーミックス(ファミリーマートHPより)

ファミマのスウェットに待望のグレーが登場

――普段よくスウェットを着るんですか?

澤村尚徳氏(以下、澤村) カジュアルで通勤していることもあって、休日を含め、週に2~3回は着ますよ。ワードローブには、古着からスウェット専門ブランドのまでさまざまなスウェットが揃っています。私にとってスウェットは、白ゴハンやパンといった主食みたいなもの。このアイテムをベースに献立(着こなし)を考えることが多いです。

袋から出した「コンビニエンスウェア」のスウェットトレーナー グレーミックス(筆者撮影)

――ファミマのスウェットはいつから着始めたんですか?

澤村 2カ月ほど前です。以前からファミマのコンビニエンスウェア自体は知っていました。なにせ、ファセッタズム(FACETASM)のデザイナー、落合宏理さんが手がけているんですから、ファミマの本気度がうかがえます。私もハンカチやラインソックスといった小物を買って愛用していました。ただ、私の中に「コンビニのウェアはいざという時に買うもの」という先入観があったこともあって、スウェットには手が伸びませんでした。そんなとき、知り合いの編集者がプレゼントしてくれたんです。

――地域によっては、手に入れるのが難しいようで。

澤村 そうみたいです。このスウェットをくれた彼は、グレーミックスの発売直後に都内のファミマを巡ったらしいですが、どの店舗も売り切れで、出張で出かけた地方都市で偶然入手したということでした。以前はブラックのみだったんですが、今年の秋にグレーが登場したので、みんなが飛びついたみたいです。発売後しばらくは、インターネットオークションでも定価以上の値段で取引されていました。