インドでは、中国からの輸入額が1000億ドルを超えた
さらに中国企業は、生産面でも世界展開を進めています。アメリカが中国製品の関税を高めた結果、多くの中国企業が、自社製品をベトナムやメキシコなどに再輸出貿易を行って販売したり、これらの地域で生産・製造できる体制を整えたりしています。
ちなみにインドでは、中国からの輸入額が2023年度に1000億ドルを超えました。インドにある中国企業で製品を生産・製造する動きもあり、中国に依存しています。
モノづくりだけでなく、物流の整備も中国のノウハウを参考にして展開。インド企業のバックには中国の投資ファンドがついていることが多く、専業の企業に投資を行ってサポートしています。
中国製品の品質は、世界全体で見れば悪くない
少し長くなりましたが、このように中国のECサイトは「確実に素早く届く」サービスを世界中で実現できるようになっているんです。
そして、「安い」「質がまあまあいい」という点についても、多くの国が満足しているんですね。
日本ではしばしば「中国製品は品質が悪い」と言われます。とはいえ、中国製品の品質は世界全体で見れば、そこまで悪いわけではありません。偏差値に例えると、50台後半程度といったところでしょうか。
もちろん偏差値60台後半の国から見れば、品質が悪いと感じるときもあります。しかし、偏差値40台か、それ以下の商品を作っている国と比べればかなりマシです。
その偏差値40台の国のひとつがインドなのです。仕事と趣味を兼ねて、インドでデジタル製品や日用品などを購入したことがありますが、とてもじゃないけど中国のレベルまで至っていない印象です。
インド産iPhoneの品質の悪さが話題に
比較的に知られているのは、インド産のiPhoneでしょう。イギリスの経済紙『フィナンシャル・タイムズ』がインド産iPhoneの品質の悪さを指摘した記事を掲載しています。
記事ではこう書いています。中国を拠点とするサプライチェーン戦略からの移行に取り組んでいるAppleは、南インドの拠点に、カリフォルニアと中国から製品デザイナーとエンジニアを派遣し、製造の準備を整え、現地の人々を指導している。それは20年前に中国で構築したアプローチに似ている。
しかし、アップルのサプライヤーの1つでインドの大企業のTataが運営する工場生産ラインでは、部品の半分は出荷できる品質に至っておらず、欠陥ゼロというAppleの目標には遠く及ばない状態だ、と。