パワハラ疑惑・おねだり疑惑などの対応をめぐって県議会議員の全会一致の不信任決議案可決を受けて前知事の斎藤元彦氏が失職したことで実施された兵庫県知事選挙。11月17日に投開票が行われて斎藤氏が再選を果たした。

 これまでの数々のテレビ番組で改めて注目したいのが10月2日にNHKが放送した「クローズアップ現代」だ。タイトルは「兵庫県職員30人の告白“もの言えぬ空気”はなぜ生まれたか?」として、選挙前の斎藤県政がどのように運営されていたのか。それを職員の声を中心に再現した番組だ。(全2回の1回目、後編に続く)

11月19日、就任記者会見で質問を聞く斎藤元彦兵庫県知事 ©時事通信社

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約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答

 再選翌日の記者会見で斎藤氏は「県議会と県職員の皆さんとの関係をしっかり前に進めていくことがすごく大事」「有権者が評価してくれたのは主に実現した政策」「政策をどう進めていくかが大事」「県職員も県議会も同じ思いをお持ちだと思う」などと話していた。

 今後注目すべきは、斎藤氏の再選で再び彼の下で働くことになった兵庫県庁の職員の心中だ。兵庫県議会の「百条委員会」が実施した県職員約9700人(回答は約6700件)のアンケートでは約4割が斎藤氏のパワハラを見聞きしたと回答している。