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「写真悪用の可能性を危惧」

「5億円トラブル」の内幕について、前出のイセ食品関係者が明かす。

「今年2月、伊勢夫妻は、弁護士やブローカーからなるグループから妻が所有するマンションを担保に5億円の融資を受ける話を持ち掛けられます。契約は成立したものの、5億円は夫妻の手元に一切届かず、トラブルに発展しています」

 前出の伊勢氏の知人は次のように主張する。

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「3月頭に夫人が1人で自宅にいる際、4〜5人の関係者によって強引に契約書へ署名押印させられたのです。貸付金の5億円は、一旦、グループの弁護士の口座に送金され、その後、ブローカーなどの口座に送られており、伊勢夫妻のもとには一銭も入らなかった。さらに夫妻は月額600万円の利子を要求される事態となっています」

 そして9月、伊勢氏の妻は警視庁に「5億円の融資金と、その利子をだまし取られた」として詐欺罪で告訴状を提出。その告訴状では“謎の女”について次のように記されている。

〈秘書として働いていながら(略)犯行グループの利益確保に協力し、本件の発覚を防ごうとしている可能性がある〉

 また告訴状によれば、この元秘書の女性は、次のようにさらなる融資話を持ち掛けたという。

小室佳代さん

「この利息は支払うしかない。でないとこの物件は売られてしまいます。利息の支払いを回避しつつ譲渡担保の実行を回避するためには、7億円の追加融資を受けるしかありません」

 前出の伊勢氏の知人が語る。

「元秘書の言動に不信感を覚えた周囲の人間が伊勢氏に忠告し、最終的に伊勢氏は代理人弁護士を探して、警視庁へ相談します。元秘書はその過程で伊勢氏のもとを離れていきました」

 伊勢氏に事実関係を聞くべく連絡すると、「もう私も年寄りだしね。色々代理人にまかせとるから。弁護士に連絡して」と答えた。

 伊勢氏の代理人を務める弁護士は、刑事告訴の事実を認めたうえで次のように語った。

「貸付金は伊勢氏の妻に一切わたっておりません。マンションを巡る一連の行為は、老人から大事な資産を奪う行為に他ならず、その悪質さは振り込め詐欺にも匹敵します。また(小室夫妻との)写真悪用の可能性について、伊勢氏は危惧しております」