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皆さんの予想に反して名前に振り回された記憶はないんです

――周りの人から、珍しい表記の名前について何か言われたことはありますか。

 中高生のとき、いわゆる不良アニメとか不良漫画が流行って、「夜露死苦」とか「仏恥義理」のようにいろんな単語を漢字表記にする時代があり、私もその仲間だと思われたことがありました。

――暴走族の仲間ということですよね。

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 「支靜加」に愚連なものを感じるんでしょうね。「特攻服の後ろに書かれてもおかしくないよね」と言われたこともあります。あと、千社札が流行ったときには、「“支靜加”を千社札にしたら絶対カッコいい」と仲間の間で話題になり、少しうれしかったです。

 

 そうやって面白がって話のネタにしてくださるというのは、人見知りの私としてはありがたかったですし、先輩が「絶対忘れられない名前」と言ってくれたことも心に残っています。

――逆に、ちょっと嫌だなと思う経験はありましたか。

 嫌というわけではないんですが、「支」という漢字は「もろ」「ゆた」という読み方もあって、私が生まれるちょっと前まで名前での使用を認可されていなかったので、「念がこもってるの?」とか、「お父さんお母さんは占いにハマってるの?」と聞かれたことがあります。

 ただ、これまで周りの方から、「テストのとき名前書くのに時間かからない?」とか、「インクにじまない?」とか、「ハンコ作りにくくない?」といった心配の声をたくさんかけてもらいましたが、実際に困ることはほとんどなく、皆さんの予想に反して名前に振り回された記憶はないんです。

 

「キラキラ」と「シワシワ」両方を兼ね備えているお得感

――ここ何十年かで「キラキラネーム」という言葉が出てきましたが、ご自身の名前をキラキラネームだと感じたことはありますか。

 漢字表記のみ、キラキラネームだったんじゃないかなと。キラキラネームって、揶揄するとか、「ちょっと普通じゃないよね」とからかうイメージがあると思いますけど、本来“キラキラ”は、他と違って輝いているという意味だとすると、私の「支靜加」がキラキラネームと思ってもらえるのはうれしいことです。

――「キラキラネーム」の一方、古風な名前を指す「シワシワネーム」という言葉も出てきました。シワシワネームについて思うところはありますか。

 「しずか」という名前は400年以上前からある古い名前として知られているので、私は「キラキラ」と「シワシワ」両方を兼ね備えているんだな、というお得感を覚えましたし、おじいちゃんは先見の明があったと、あらためて感じます。

 キラキラだのシワシワだのが話題になる限りは私も参加できているというのが面白くもあり、不思議でもあり、という感じでしょうか。

――素敵なお名前ですが、本名でお仕事をされたことはありますか?

 デビュー前、『龍が如く4』のキャバクラ嬢役で本名で出演したことがあります。当時は芸名なんか思いつかず、本名でもいいということだったので、そのまま使いました。