タレントの壇蜜さんの本名は、「支靜加」さん。旧字体の「靜」を使った3文字で「しずか」と読む。結婚前の本名「齋藤支靜加」は総画数が60画あったことから、書くのに苦労したといいます。

 そして、2019年には漫画家の清野とおるさんと結婚。現在は「清野支靜加」さんとなった壇蜜さんに、名付けの由来から苦労話、また、別居婚が話題になった結婚から5年を迎えた現在の生活についてなど、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む

壇蜜さん

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「支靜加(しずか)」は祖父がつけてくれた名前

――壇蜜さんの本名は「支靜加(しずか)」さんということで、珍しい漢字ですよね。名付けの由来は?

壇蜜さん(以降、壇) 両親が私の名付けに迷っていたとき、父方の祖父が「自分が考えたい」と名乗りを挙げ、いつの間にか祖父から3文字のこの名前が出てきた、と聞いています。

――「しずか」というと「静香」の表記が思い浮かびますが、旧字体の「靜」を使った「支靜加」の3文字に、おじいさまの強い思い入れを感じます。

 祖父は古典や歴史に興味があり、長唄も習ったりしていて、日本古来の文化を大切にする人でした。「支靜加」は、そんなおじいちゃんならではの“気合いネーム”だったのかもしれませんね。

 少し大きくなってから祖父と、「『齋藤支靜加』で60画だから、画数が多いよね」と話をしたことを覚えています。

――壇蜜さんの旧姓の「齋藤」は、難しい「齋」なんですね。

 「齋藤」「斉藤」「斎藤」「齊藤」など数種類あるので、「どのサイトウさん?」となってしまうのも特徴ですよね。「難しい“齋藤”です」と言うと何となく通じる場合もありましたが、「齋藤」の説明もなかなか難しかったです。

――「支靜加」という名前について、はじめて「ちょっと他の人と違うかも」と思った瞬間は?

 小学校のときに、名簿のようなクラス全員の名前が書かれたプリントが配布された際、「齋藤支靜加」だけ、名前がにじんでいて。画数が多い込み入った漢字ですし、そのプリントがわら半紙に青インクで印刷されたものだったこともあり、「なんだか私の名前はにじんでるな」というのが違和感のはじまりだった気がします。

特に苦労したのは、「靜」のテンテンテン

 

――小さいときは自分の名前を書くのも大変だったのでは。

 小学校低学年くらいまではひらがなで名前を書くことも許されていましたが、3年生のとき、「さすがにそろそろ練習しようね」と先生に言われ、お家で祖母と一緒に練習したのを覚えています。

 特に苦労したのは、「靜」のテンテンテン。旧字体は難しいから旧字体なわけですが、いつもの「静」なら青偏が「青」のところを、旧字体の「靜」は「靑」で、下の部分が「円」になっていて。習った漢字とは細かい部分が違うのでゾワゾワしました。

 印刷すればにじんでいるし、書くのに時間がかかって、習字の時も苦労して。なんだか皆と様子が違うぞ、と思っていました。

――「しずか」ではない読み方をされたことはなかったですか。

 母親から、病院の看護師さんが首をひねっているのを見たことがある、と聞いたことがあります。結果的に「しずか」と出てくることが大半なんですが、「しずか」と判別するまでタイムラグがあって、「さいとう……………しずかさん」という感じのことが何度かあったようです。