東京から北に向かう新幹線には、いくつかの行き先がある。王道はやはり東北・北海道新幹線の新函館北斗駅ということになろうか。1982年の開業以来、盛岡・八戸・新青森と少しずつ終着を伸ばしてきて、遠くない将来には札幌が終着駅になる予定だ。

 この東北・北海道新幹線とは裏腹に、日本海側を目指す新幹線もある。金沢行きの北陸新幹線や新潟行きの上越新幹線がそうだ。そして忘れてはいけないのが秋田新幹線である。

秋田新幹線の終着駅「秋田」には何がある?

 秋田新幹線の列車は「こまち」。東京駅から「はやぶさ」と併結されて走り、盛岡駅で分かれて仙岩峠を越えて秋田を目指す。列車の名は、秋田生まれと伝わる平安時代の伝説の美女・小野小町にちなんだものだ。

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 そうして秋田新幹線は、実に4時間弱の時間をかけて東京から秋田駅に着く。秋田駅は、いうまでもなく秋田県の県都・秋田市のターミナル。人口約30万人、東北地方では4番目に人口の多い都市の玄関口だ。さて、いったい何があるのだろうか。

東京から約4時間…秋田新幹線“北の終着駅”「秋田」には何がある?

雪国というイメージが強いが…

 東北地方、それも日本海側というと、勝手ながら雪のイメージが強い。駅もホームも駅前も、雪に埋もれて白ずくめ。寒さに凍えて手がかじかんで……。

 もちろん年がら年中そんなわけはなく、秋口のいまごろに雪があるはずもない。ただ、そうした雪のイメージのおかげで、なんとなくさみしい駅前だろうと思い込んでいた。秋田の皆さん、ごめんなさい。

今回の路線図。東京から約4時間の「秋田」は、東北地方では4番目に人口の多い約30万人都市の玄関口だ

 秋田駅は新幹線もやってくる駅だ。だからさすがにさみしい駅ということはなく、立派な橋上駅舎を持つ。その自由通路には、秋田名物のなまはげや秋田犬、竿燈まつりのオブジェがずらりと並び、秋田米「サキホコレ」をPRするポスターでは壇蜜さんが優しい笑みを浮かべている。

 

 そして中心市街地に面する西口側に向かって歩いてゆくと、「トピコ」と名付けられた駅ビルがある。土産物から飲食店、ファーストフードなどが入っている商業ビルだ。

 傍らにはJR系列のホテルメトロポリタンがあり、お隣にはOPA。駅からは駅前広場を跨ぐデッキがつながっていて、その先にも商業ビルがある。

 

 さらにそこから短いアーケードを少し歩くと、西武秋田店。その向かいには広いバス乗り場が設けられていて、バス停の名は「買物広場」というらしい。駅前から歩いて3分もかからないようなところだが、駅前とは別にこうしたターミナルのようなバス乗り場があるというのは、秋田ならではなのではないかと思う。