〈ジェット風船の“限定解禁”検討〉
昨年12月25日付のスポーツニッポンに、こんな見出しが躍った。コロナ禍で2020年から禁止されていた、甲子園の風物詩であるジェット風船を飛ばす応援が、3月のオープン戦限定で解禁される見込みだというのだ。
「すでに広島やソフトバンク、楽天など複数の球団は、飛沫対策としてポンプを使って膨らませるタイプのものを使ってジェット風船の応援を再開させていますが、阪神では封印されたままだった。その代わり、ジェット風船が描かれた応援タオルをファンファーレとともに観客が掲げるパフォーマンスが定着しつつありましたが、物足りなさは否めず、ファンからは再開を望む声が上がっていた」(球団関係者)
“宝塚歌劇団のドン”がジェット風船解禁に反対した理由
7回の攻撃前や勝利の際に飛ばされることの多いジェット風船。この応援方式は甲子園が発祥とされる。使い捨てで毎試合ファンが必ず購入するため、収益にも繋がっていた。ではなぜ阪神はこれまで解禁を見送っていたのか。
「親会社である阪急阪神HDの代表取締役会長で“宝塚歌劇団のドン”としても知られた角和夫氏(75)が、解禁に反対していたのです」(同前)
阪急阪神HDは環境保護に力を入れている。象徴的なのが、今春に尼崎市内に移転する阪神の二軍新球場「ゼロカーボンベースボールパーク」だ。太陽光発電・蓄電池の導入や廃棄物発電の活用を掲げ、SDGsをアピールした新球場になるという。こうした姿勢と、ジェット風船を飛ばしては使い捨てる応援方式は相容れないとされたのだ。