さらに30歳の年には、映画『でべそ DE ストリップ』(96年)にも主演し、2度目の本格的な濡れ場を披露している。
渋谷にある伝説的ストリップ小屋・道頓堀劇場のオーナーの半生を映画化したもので、川上はナンバーワンストリップ嬢で、片岡鶴太郎演じるオーナーの恋人役。30歳の熟れきった川上の肉体はセクシーさと迫力にあふれ、劇中では片岡の下半身を口で愛撫するシーンや、天狗のお面の鼻の部分を男性器に見立てて自身に挿入する、いわゆる「天狗ショー」まで実演する熱演っぷりだ。
あえぎ声や表情など快楽の表現も格段にアップしており、30歳という大人の女の性を演じきった。この映画で川上は第6回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞している。
30歳で結婚、34歳で離婚、その後も「猫を置いていった恋人」が
川上が結婚したのも30歳の時だった。お相手は中学の同級生で鞄デザイナーの男性で、川上にとって初恋の相手だったという。子どもを生む意志はあったが授からず、養子縁組も考えたという。しかし夫婦揃って多忙な時期でもあり断念、34歳の時に離婚している。
その後は前述の志村以外に恋愛関係が噂になったことはないが、あるときエッセイで49歳の時に別れた恋人が置いていった猫を現在も飼っていることを公表するなど、ずっと1人でいたというわけでもないようだ。
川上と猫の縁は深く、18歳で一人暮らしを始めた時に猫を飼って以来、大の猫好きとなり、それが高じて52歳で一般社団法人「ねこと今日」を立ち上げ、自らも3匹の愛猫と暮らしている。
離婚後にはガラスデザイナーとしても活動を開始し、ブランド「MAJKO.K」を展開。スウェーデンから直輸入したインテリアやアクセサリー、自分がデザインしたガラス細工等をセレクトしたショップ「SWEDEN GRACE(スウェーデングレイス)」もスタートし、自ら店頭に立つなど女優の枠に収まらない活動を続けている。
「何かを表現することは、ずっと続けていきたいんですよね。いつもそうしてきたから」(「frag lab」インタビューより)と語る川上が今後どんな新しい表現を見せてくれるのかが楽しみだ。

