世界で最も厳しい大学受験国とも言われる韓国。毎日10時間以上の勉強、高額な塾通いなど、年に1度の受験日に人生を賭ける受験生も少なくないそうだ。

 そんな韓国の受験事情について、自身も受験を経験し、YouTubeでも発信しているJINさんに詳しく話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

韓国ソウル出身、東京在住14年目の韓国人YouTuberのJINさん

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ほとんどの学生は笑顔でスヌンを終える

――スヌンの英語のリスニング中には飛行機の離着陸も禁止されていると聞いたことがあります。

JIN そうですね。飛行機の音でリスニングに影響が出ないようにその時間は飛ばないようになっています。あと工事も禁止ですね。何年か前にスピーカーの音が不調で聞こえづらかった試験会場もあったりして、不平等だという声もあったので、音をすごく気にしています。

――スヌンが終わった後の学生はどんな感じなのでしょうか。

JIN 試験が大体夕方に終わるのですが、そのあとはパラダイスです。スヌンの前日は頭を整理するために勉強しない学生も多いんですが、参考書を捨てたり、友達と遊んだり、バイトをしたり。それまで我慢していたことをみんなやっています。

 絶望した顔で会場から出てくる人もいますが、それは優秀な学生です。1問だけ解けなかったとか、あそこだけイージーミスしちゃったとか。ほとんどの学生は笑顔で出てきますね。やり終えた達成感です。

ソウル大学がトップ、医学部は別格の扱い

――出願するのはそれからですか?

JIN 後日スヌンの点数が送られてくるんですけど、その点数によって出願する大学を決めます。一人当たり公立私立関係なく3校まで受験できます。

 学校の先生や塾の先生に相談して、「この点数ならソウル大学を受験しても大丈夫だ」とか、「この大学は厳しいかも」とか。ただ、トップレベルの大学ばかり受けると全部落ちてしまうこともあるので、一つは余裕を持って出願することが多いですね。

――浪人する学生もいますか。

JIN いますね。どうしてもソウル大学にいきたいとか、医学部にいきたいとか。そういう場合は再受験をすることもあります。ただソウル大学以外だと浪人する人はそんなにいないです。トップに行くなら意味がありますが、それ以外だとそんなに意味がないと考えられています。