「脚が太くても、腕がデカくても、いいじゃん、かっこいいじゃん」
――陸上や新体操など、女性アスリートに男性から性的な眼差しを向けられる機会が蔓延しているように感じています。野村さん自身はそうした現状をどのようにお考えでしょうか。
野村 私自身、SNSへのコメントとかに結構来ますね。内容までは覚えていませんが、強い女性にいじめてほしいような人達っているじゃないですか。失礼なことを言われたりすることはありますが、いちいち傷ついていても仕方ないのかなと思っていて。
それよりも、ポジティブにSNSを使って、パワーリフティングの魅力を発信していくのが私のやり方ですかね。
――今はどのような発信をされているのでしょうか。
野村 投稿している内容はさまざまですが、最近はずっと「脚が太くても、腕がデカくても、いいじゃん、かっこいいじゃん」っていうメッセージを女性に向けて伝えよう! という気持ちが強いですかね。
――その真意は?
「こういうかっこよさもあるよ!」という美の価値観
野村 高校生のとき、女の子はよく制服のスカートを短くしたりするじゃないですか。そのとき、「脚、太っ!」って男子から言われて、当時、思春期でもありましたし、その一言で結構傷ついたんですよね。
でも、いま、私は“脚が太い”というのも一つの美の価値観だと思っています。
もちろん、“脚が細い”っていうのも一つの美の価値観だと思うんですけど、誰もがそれに憧れて妄信してしまうと、健康の面で悪影響が出てくる可能性もあります。ボディポジティブじゃないですけど、「こういうかっこよさもあるよ!」ということを少しでも分かってくれる人が増えたらいいなと思っているんですよね。「脚が太くても、腕がデカくても、いいじゃん、かっこいいじゃん」です。ぜひ一緒にパワーリフティングを始めましょう!
――とはいえ、トレーニングジムは男性が圧倒的に多いでしょうし、パワーリフティングを始めるハードルはなかなか高そうです……。

