国内最強格のパワーリフティング選手として、数々の世界大会に出場する野村優さん(24)。その逞しい肉体美は、まさに圧巻。
しかし、彼女はなぜ、世間ではまだあまり知られていないマイナースポーツを始めたのか。競技との出会いから現在の私生活まで話を聞いた。
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自己ベストはトータル「500kg」
――はじめにパワーリフティングという競技は、どのような競技なのか教えてもらえますか。
野村 バーベルを肩に担いで立ち上がるスクワットと、ベンチ台に寝転がって胸まで下げて元の位置まで戻すベンチプレス、床から腰の高さまで持ち上げるデッドリフト。この3つの合計重量を競う競技です。
――想像もつかないのですが、野村さんはどれくらいの重さを持ち上げられるのでしょうか。
野村 昨年の全日本選手権でスクワット167.5kg、ベンチプレス102.5kg、デッドリフトで230kgを上げて、日本人女性歴代最高重量のトータル500kgを記録したのが大会で出した自己ベストですね。
憧れのアイドルと共演できるんじゃない?
――想像以上の重量でイメージすらできません(笑)。ちなみに、競技を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
野村 もともと本当にごく普通の女の子だったんですけど、高校生の頃、当時好きだった関西ジャニーズJr.が出演しているテレビ番組でパワーリフティングが特集されているのを目にしたのがきっかけなんです。
「私もパワーリフティングでナンバーワンになったら憧れのアイドルと共演できるんじゃない?」
そんな不純な動機ですよ!(笑)
――とはいえ、メジャーなスポーツではないだけに、パワーリフティングを始めようと思っても、なかなか始めるきっかけがないのではないでしょうか。
野村 実は、もともと町の道場で柔道をやっていて、中学生の頃に出場した大会で京都府で3位にはなれたんです。それで進学先の高校では、まず柔道部に所属して、その補助トレーニングとして、パワーリフティングに取り組んでいました。トレーニングをやっているなかで、どんどんパワーリフティングが楽しくなったんですよね。
そして、進学先がたまたまパワーリフティング部のある高校で、先輩が世界大会に出ていたりもしたので、「ここで練習を続けて結果を残せば、世界大会にも出られるかもしれない。そうすれば、憧れのアイドルと共演できるかも!」と、転部したんです。