土俵の上で全力のガッツポーズ、獣のように雄叫びまで

 そして迎えた千秋楽。

「白鵬は立ち合いから照ノ富士に肘をかまして連続ビンタ、さらに最後は腕をきめて強引にぶん回して土俵に這わせた」(相撲記者)

 勝敗決するや土俵の上で全力のガッツポーズ、獣のように雄叫びまで上げた。「横綱の品格」からは程遠い取り口には角界内外から猛批判が湧いたが、これが大横綱・白鵬の現役最後の取組である。

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現役最後の取組でこの振舞い

 白鵬と照ノ富士のもつれた関係は、宮城野部屋の処遇が二転三転したことにどこまで影響しているのか。一門の総帥、伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)に聞いた。

――伊勢ヶ濱部屋での預かり案が却下されたのは、宮城野親方と照ノ富士の関係性が影響している?

「……」

 長い沈黙の末、返ってきたのは、「広報を通してください」という一言だった。

 宮城野親方にも数回にわたり直撃を試みたが、記者の呼びかけに一瞥もくれず、口を真一文字に結ぶのみ。

照ノ富士はずっと白鵬に与してこなかった力士

 元相撲協会外部委員で漫画家のやくみつる氏が言う。

「照ノ富士はずっと白鵬に与してこなかった力士。そんな横綱の軍門に下ることは白鵬にしてみれば我慢ならないことでしょう。伊勢ヶ濱部屋転籍案は、事実上退職を促しているのに等しいほどの案でした。それが師弟揃って浅香山部屋への転籍となれば復興を前提にした仮所帯という色合いが強くなる。これを機に、今一度誰かが白鵬に『隠忍自重』という言葉を教えてあげればいいのにと思います」

優勝インタビューを受ける照ノ富士 ©時事通信社

 このままだんまりという決まり手はない。

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