私立中学がひしめき、中学受験が過熱する首都圏にも、少子高齢化の波は確実に押し寄せている。東京都の公立小学校の児童数は昨年度から微減に転じ、予測によるとこのまま減少が続くという。
生き残りをかけて共学化や大学との提携などの改革に乗り出す学校も多い。歴史ある男子校・女子校の共学化も目立つが、共学化初年度の入学には少々覚悟も必要だ。
共学の最上位校「渋渋」の前身はコギャルブームを牽引した女子高
東京圏の共学の最上位に君臨する「渋渋」こと渋谷教育学園渋谷中学高等学校は、元は“渋女”として呼ばれた女子校だった。原宿や渋谷に近い立地もあり平成のコギャルブームを牽引した学校だが、96年に共学化。すでに進学校として成功していた渋谷教育学園幕張との連携をきっかけに、共学の超名門校へと変貌を遂げた。
ほかにも、今や不動の共学人気校となった三田国際学園中学校・高等学校は、前身は戸板中学校・戸板女子高等学校。戸板時代は残念ながら偏差値表では存在感を示せずに生徒募集も苦戦という状況だったが、グローバル教育と共学化に舵を切ったことで偏差値も60台に乗り、生徒募集も安定した。
特に人気が高いのが通称ISCと呼ばれるインターナショナルサイエンスクラス。昨年度の第4回入試ではなんと倍率66.7倍を記録している。
このようにグローバル教育と共学化の合わせ技で成功した学校の前例があるからか、最近も生徒募集に苦戦していた学校が共学化するケースが目立っている。
2022年には元女子校の目黒星美学園がサレジアン国際学園世田谷となり、文京区にあった村田女子中学は共学化と広尾学園中学校・高等学校との教育連携をきっかけに広尾学園小石川中学校・高等学校に。2023年には東京女子学園が芝国際中学校・高等学校となった。