内縁の夫もどきは何人もいた

 バツイチになってから、雀荘でアルバイトを始めた江梨さん。その後派遣会社に登録して単発で販売の仕事をするようにもなったが、どこに行っても男性にはモテた。

「男性が途切れることはほんとにないですね。子供にとって、お父さん的な存在の人は、常に家の中にいる感じでした。

 でも麻雀プロの男性と付き合ったことは過去に一度もありません。飲み会の時に、『今まで関係した男性プロで何卓立つの?』なんて聞かれることがありますけど、『ノーゲスです(客が一人もいない)。卓が立ちません!』と即答します。麻雀のできる人と恋愛したことは、もちろんありますが」

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 どうしてそんなに、男性が途切れないのだろう? と素直に聞いてみると、

「私が、全ツするからです」

 と、キッパリ。

「全ツ(ぜんつ)」とは、巷の麻雀の場面で使われることがあるが、オリずに全部ツッパること。江梨さんは麻雀も恋愛も、オリたりあきらめたりしないようだ。

画像はイメージ ©AFLO

「好きになった人には積極的にアプローチしますよ。まだ私がプロになる前、雀荘で働いているときに、お客さんからセット麻雀に誘われたことがあるんです。自分がセットの5人目だったので、すでに始まっているところに遅れて行って、後ろで見ていました。後ろで見ているうちに『この人素敵だなあ』と思う人がいたので、紙に自分のケータイの番号を書いて、どさくさにまぎれて点箱に入れたらその後すぐに連絡があって、うまくいきました」

 美人でグラマーで魅力的だからこそ、全ツ方式でうまくいく部分もあるのだろうが、江梨さんはとにかく前向きで明るい。

「うちの母は、事業で失敗した父と別れた後、バリバリ働いて成功し、お金をたくさん稼いで、妹と私を大学まで入れてくれました。その血を継いでいると思います。私が麻雀のプロになったのは、都内の雀荘で働いていた時です。当時はゲーム代のバックもなかった(全額自腹でゲーム代を払う)のですが、『プロになったらゲーム代ハーフバック(半額はお店負担)する』と言われて、プロテストを受けることにしました。当時、その雀荘でセットをしていたプロの方々がいて、その団体を受けたら一発合格でした。レッスンプロの資格も取りました」