土日のリーグ戦もずっとお留守番
とはいうものの、江梨さんの所属する団体のリーグ戦は土日にあるので、留守番させて出かけることも多い。
「親のいない家って、小学生たちにとってはお城みたいなものですよね。一応『お友達を呼んではダメよ。一人でお留守番してね』とはいうものの、自分の子供時代の経験から考えてもたぶん無理だろうなってわかっていました。
リーグ戦の日、知らない電話番号から着信があると、本当にドキッとします。すぐには出られないからかけ直すと、あらかじめネットで時間指定で注文しておいた宅配ピザ屋さんから『お届けしましたがお留守なんですけど』と言われて子供は外に遊びに行ってたということもありました。
いろいろなことを想定して、ハプニングに対応できるように準備しているつもりでも、いつ何があるかわかりません。事件や事故に巻き込まれることも怖いですけど、ちょっと大きくなってくると、私のことを友達にどんなふうに話してるんだろう、その友達は家で自分の親にどんなふうに伝えるのだろう、なんてことも心配になってきて、とにかく『早くこの時期を乗り切ることができますように』と祈るばかりでした」
その後、再婚を目指して真面目に婚活をした江梨さん。出会いはすぐに訪れた。
「相手はかなり年上で離婚歴のある人でした。早くちゃんとした家庭を作ろうと思って、内縁関係をしばらく続けた後で、学年が変わるタイミングで入籍しました。いっしょに住んでいた期間は3年くらいです。
2回目の離婚の理由は、一言でいえば家庭内のモラハラ(モラルハラスメント)ですね。私が麻雀プロと分かって結婚したのに、土日にリーグ戦で出かけるたびに『麻雀に行かせてやっている』『たいした収入にならないのに麻雀ばっかりしている』という言葉を吐かれました。そのつらさが積み重なったんです。経済的にも問題なく、他の部分ではやさしい人だったんですけど、私の、麻雀プロという生き方を否定されることに耐えられませんでした。雀荘の出禁(できん)に例えると、1回目の離婚は、相手側の金銭トラブルで一発出禁(いっぱつできん)でしたけど、2回目は日ごろのマナーの悪さがだんだん我慢できなくなり、ある日『出禁にします』と通告する形でした。数か月前から、私のほうはいつ離婚してもいいように準備をしていて、ある日、子供と家を飛び出して実家に逃げ込みました」
二度の離婚を経て心機一転、これからの見通しは?
「また子供と二人、イチから子育てするつもりでやり直しです。子供も思春期ですから、特に婚活しようとは思いません」