性被害を訴えた職員を解雇
マスクはトランプの就任イベントではナチスの敬礼に似たジェスチャーを行い、これも厳しく非難された。マスクはナチスの敬礼ではなかったと主張し、マスクの母親は息子を批判したニュースチャンネル「CNN」を訴えるよう、Xにポストしている。
いずれにせよマスクは「MAGAからMEGAへ:メイク・ヨーロッパ・グレイト・アゲイン」(From MAGA to MEGA: Make Europe Great Again!) とXにポストしており、ヨーロッパ諸国への政権批判や干渉を今後も続けるものと思われる。
マスクは2024年6月にスペースXの元従業員8人から訴訟を起こされている。8人はマスクを含む複数の男性職員が数々のセクシュアル・ハラスメントを行っていることを公開書簡として社内で回覧したところ、8人全員が解雇され、解雇を命じたのがマスクであるとしている。
4. リンダ・マクマホン(教育省長官) ※承認前
トランプは大統領選中に教育省を解体し、教育は各州の判断・運営に任せるとしていた。これにより教育内容を保守化、民営化しやすくすることが理由だった。
しかし全米の教育を司る教育省の急な廃止は不可能であり、トランプはワールド・レスリング・エンターテインメント社(WWE)の設立者であり、トランプへの大口献金者であるリンダ・マクマホンを長官に指名した。
マクマホンはトランプ第1期に米国中小企業局の長官を務めているが、教育のキャリアはない。マクマホンは1990年代にWWEの番組「RAW」に実の娘とともに出演し、母娘のケンカでお互いの頬を張り飛ばすシーンを何度も演じており、これを教育省長官にふさわしくないとする声もある。
昨年10月には、1980~90年代にかけてWWEの複数のスタッフが未成年の少年に性的暴行を加え、マクマホンと共同CEOの夫がそうした犯罪を許す職場環境を作っていたとして訴訟を起こされている。
5. マット・ゲイツ(司法長官) ※辞退
マット・ゲイツ下院議員(当時)は司法長官に指名されたが、違法薬物使用と性的不品行の嫌疑があり、相手が17歳の少女とされたことから激しく批判されて指名を辞退し、議員も辞職している。
閣僚の資質も人格も一切問わない
トランプは自分が望む政権を作り上げるためには、閣僚の資質も人格も一切問わない。自身に性的暴行の過去があるためか、閣僚の性的暴行も気に掛けない。忠誠を誓う者だけを集めるのだ。