ついに動き出した第2次トランプ政権。“保守主義”“排外主義”と言われ、女性への性加害も指摘されるトランプ氏だが、彼の背後にもまた、過激な言動を繰り返す存在がいる。
トランプとは一体何者なのか。トランプ政権を支えるのはどのような人々で、彼らは社会にどのような影響を与えうるのか。在米ライターの堂本かおる氏が寄稿した。(全2回の1回目/初めから読む)
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何度も性加害を告発されてきた
ドナルド・トランプは過去に少なくとも18人の女性からレイプ、性的暴行、セクシュアル・ハラスメントにより非難されてきた人物だ。もっともよく知られているのは、1990年代にニューヨークの高級デパートの更衣室でレイプされたジャーナリストのE・ジーン・キャロルのケースだ。
不倫相手であるアダルト映画スターのストーミー・ダニエルズに口止め料を支払った件では、支払いに際して業務記録の改ざんがあったとしてトランプの個人弁護士が逮捕、禁錮3年の刑を受けた。
トランプが起用を発表した新政権のメンバー*にも、セクシュアル・ハラスメントもしくは性的暴行で物議を醸した人物が多数含まれている。
*承認のための投票が終了していない人物、辞退した人物も含む。記載は2月12日時点のもの。
1. ピート・ヘグセス(国防長官) ※承認済み
ヘグセスは、2017年に共和党女性会議と冠されたイベントに出席した際、ホテルで参加者の女性に対して性的暴行を行ったという疑惑が持たれている。2024年11月、警察の発表により、女性から被害を訴えられていたことが明らかになった。
へグセスは女性に示談で5万ドルを支払ったことは認めたが、レイプはしておらず、保守系ケーブルニュース局フォックスニュースで司会者としての評判を守るための支払いだったと主張。この件に関連し、ヘグセスは泥酔癖があることも報じられている。
また、3度の結婚で7人の子を持つが、妻への扱いが到底許せるものではないと、実の母親がヘグセスに宛てた手紙がリークされた。ヘグセスは鍛えた上半身を晒す半裸の写真を自ら何度も公開しているが、大きなタトゥーは白人至上主義を示すシンボルマークだと指摘されている。
退役軍人だが「女性は戦闘任務に就くべきではない」を持論とし、そもそも国防のキャリアも無い。議会による長官承認投票は50/50と割れ、副大統領J.D.ヴァンスの一票でかろうじて承認を得た。
2. ロバート・F・ケネディJr. (保健福祉省長官) ※承認済み
名門ケネディ家の一員。2024大統領選に民主党から立候補し、のちに無所属に転向。選挙戦離脱後はトランプ支持に回り、現在、共和党トランプ政権の保健福祉省長官に指名されている。
