立候補前より「自閉症を招く」などとして反ワクチン主義を掲げてきたが、保健福祉省長官承認のための公聴会(1月29日)では一転し、「ワクチン反対派ではない」と主張。公聴会に先立ち、故ジョン・F・ケネディ元大統領の長女であり、オバマ政権の駐日大使だったキャロライン・ケネディが、自身のいとこであるロバートの長官承認を行わないように訴える公開書簡をしたため、それを読み上げる動画も公開した(1月28日)。

ベビーシッターへの性的暴行疑惑

 キャロラインはワクチン問題だけでなく、ロバートが保健福祉省長官という弱者擁護の職にふさわしくなく、さらに麻薬も含め、人格や行動にも大きな問題があると指摘した。

 ロバートは10年前に誤って轢き殺した子グマの死体を車でニューヨークの自宅に持ち帰ろうとして果たせず、セントラルパークに捨てるなどといった奇行も知られている。キャロラインも今回の書簡の中で、ロバートは飼っていたタカの餌として子ネズミやヒヨコをブレンダーにかけていたと書いている。

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 ロバートの2人目の妻は、37人もの浮気相手の名を記したロバートの日記を発見したことからアルコール依存症とうつに悩まされ、子どもの親権をめぐるロバートとの争いの渦中、2012年に自殺。2024年夏に発売された雑誌「バニティ・フェア」には、2人の婚姻中に雇われていたベビーシッターが、ロバートから性的暴行を受けたとする記事が掲載された。

3. イーロン・マスク(政府効率化局局長)

 マスクは新たに設立された「政府効率化局」のリーダーとなったが、同局は内閣に含まれていない。したがってマスクは正式な内閣メンバーではなく、スペースX、テスラのCEO、Xの執行会長兼CTOを続けている。

 トランプとともに諸外国首脳との電話会議に参加していると報じられているが、内閣メンバーでないため、いわばフリーランス的に他国への干渉を行っていると言える。1月25日にはドイツの極右政党「AfD」の集会にビデオ参加し、「(ドイツは)過去の罪悪感に重点を置きすぎている」と発言し、批判を浴びた。

イーロン・マスク氏 ©時事通信社