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トランプがエゴを肥大化させたワケ
トランプは常に自分が最高位のキングであることを望み、自身の進出を妨げる者を排除し、相手への恨みを忘れない。トランプが大統領第1期の当選以後、エゴをどんどんと肥大化させた根源には、実はバラク・オバマの存在がある。
第1期の当選時にメディアによって盛んに分析されたように、それまでアメリカの強者であった白人が経済的に困窮し、弱者になりつつあるとする世評のタイミングにトランプは上手く乗ったと言える。しかし、その根底にはアメリカのレイシズムと、現在の出生地主義廃止の予兆と言える排外主義、ゼノフォビア(外国人嫌悪)があった。
「大統領の資格はない」→言われたオバマの“意外な報復”は…
米国初の黒人大統領となり、世界中から注目を浴びたオバマの存在が許せず、トランプは「オバマはケニア生まれで大統領の資格はない」と執拗に繰り返した。延々と2年に及ぶ嫌がらせにオバマは2011年、とうとう出生証明証をホワイトハウスの公式ウェブサイトにアップした。
その直後に開催された毎年恒例の特派員晩餐会の会場で、オバマは意外な報復に出た。「これまで未公開だった私の出生の動画です」と言い、ディズニー『ライオンキング』の一場面を上映したのだ。アフリカの王者の子として生まれた仔ライオンを、かしずく動物たちの前で賢者のサルが空に向かって高く差し上げる有名なシーンだ。トランプも晩餐会の出席者であることを、オバマはもちろん知っていた。